「ユニクロ銀行」が誕生する日も遠くない!? エンベデッド・ファイナンスの恐るべき衝撃

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従来から存在する銀行ではなく、あえてヤマダNEOBANKに口座を作ろうとする人のほとんどは、ヤマダデンキを頻繁に利用する顧客で、ヤマダポイントの獲得が目的と推察される。実際、これまではヤマダデンキで買い物をしなければ貯まらなかったヤマダポイントが、銀行取引のみで買い物をしなくても貯まる。

ヤマダNEOBANKでは、専用の住宅ローンも提供している。住宅ローンを借り入れ中で、ヤマダNEOBANK口座から引き落としで返済していれば毎月100ポイント、口座振替(銀行引き落とし)の利用が1件以上あれば毎月10ポイント、給与振込先として口座を指定すると毎月30ポイントなど、口座の利用状況に応じてポイントが付与される。

買い物時にも口座開設者は優遇される。口座を開設すれば発行される、デビットカードとキャッシュカードが一体となった「ヤマダNEOBANKデビットカード」で買い物をすると利用金額の0.5%相当、ヤマダNEOBANK口座を引落口座に指定した「ヤマダLABIカード」を使ってヤマダデンキの店舗で買い物すると、1%相当のポイントが貯まる。もちろん、通常のポイント還元とは別だ。

銀行サービスの提供に乗り出したヤマダホールディングスの狙いは何か。Eコマースの台頭、新型コロナウイルスの感染拡大による顧客の来店頻度の低下など、家電量販店を巡る環境は厳しさを増している。こうした中で、同社が活路を見いだしたのが、「暮らしまるごと」戦略である。これは家電だけでなく、住宅や家具といった住環境に関わる商材をまとめて提案することによって客単価の向上を目指すクロスセル戦略である。2021年11月26日にオープンした、売り場の約半分を家具やリフォーム関連といった非家電商品が占める新業態店「LABI LIFE SELECT茅ヶ崎」はその象徴であろう。

ヤマダホールディングスは、お家騒動で世間を賑わせた大塚家具を2019年に、2020年には木造住宅やリフォーム事業を手掛けるヒノキヤグループを傘下に収めている。住宅の購入やリフォームを機に、家具や家電の買い替えも検討する消費者は多い。しかし、家具や家電もまとめて購入するとなると、金額は大きくなり、購入を躊躇する消費者は少なくない。ヤマダNEOBANKのユーザー専用の住宅ローンでは、家具や家電もローンに組み込めるようになっている。機を逃さず、こうしたローンを提案できれば、「まるごと」成約につながる可能性は高くなることだろう。

BaaSでエンベデッド・ファイナンスの導入は容易だ

同様に、JALやCCCが提供する銀行サービスでもマイルやポイントがたまる。JALの「JAL NEOBANK」の場合は、外貨預金で月末残高合計に応じて3~500マイル、給与受取口座に指定すると毎月20マイルが付与されるほか、住宅ローンでは借り入れ金額に応じて、1件あたり10,000~80,000マイルが積算される。

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