子どもが将来お金で苦労する「親の言葉」3大NG あなたは大丈夫?「親世代の価値観」からの脱却

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定期預金の金利もほぼゼロというほど低いままです。不動産も値下がり続けています。老後2000万円問題という、退職後のお金の不安も高まっています。

これからの日本は、「お金=悪」「お金=汚いもの」という考え方の連鎖を断ち切らなければなりません。そして、お金を稼ぐ手段のなかに、投資という考え方が必要になります。なぜなら、これから君が歩んでいく世の中は、否が応でもお金や投資に対する意識を高めざるをえない状況にあるからです。

親世代の考え方は夢のまた夢

なぜ、高校生の君たちが、お金や投資に対する意識を高める必要があるのでしょうか。

その理由の1つが、日本の人口が減っていることです。2021年11月現在の総人口(概算値)は1億2507万人ですが、前年同月比で約60万人の減少となりました。2011年は1億2783万人でしたから、この10年間で276万人も減ったことになります。

国立社会保障・人口問題研究所が行っている調査によると、日本の将来推計人口は、2029年には1億2000万人を割り込んで1億1985万人になると推計されています。その先はどうなるでしょうか。2042年には1億1000万人を割って1億913万人。2053年には1億人を割って9924万人。2063年には9000万人を割って8999万人です。数字を追うとわかりますが、かなりのハイペースで人口が減っていきます。

2063年なんて想像もつかないという人もいると思いますが、42年後です。君の年齢が16歳から18歳だとしたら、42年後の年齢は58歳から60歳です。

恐らくその頃には定年が70歳まで延びていると思いますが、そろそろリタイアして年金生活を送りたいと思っても、君の老後を支えてくれる若い人の人口が大幅に減っているのです。

2015年の総人口に対する65歳以上の人口比率は26%です。ところが、2063年になると8999万人の総人口に対し、65歳以上人口は3445万人です。つまり65歳以上の人口比率が38%まで上昇します。高齢者1人を若者3人で支えることになるのです。

イラスト:白井匠

ここで問題になるのが年金財政です。日本の年金制度は「賦課方式」と言って、現役世代が年金の保険料を払い、年金受給資格を持つ高齢者が保険金を受け取るという仕組みになっています。したがって、年金を受け取る高齢者の人口比が高まれば高まるほど、現役世代が負担する年金保険料が重くなっていきます。

つまり、消費を活発に行う世代である現役世代は、働いて稼いだとしても、その多くが年金などの社会保険料や各種税金で徴収されてしまうので、純粋に消費に回せるお金が減ってしまいます。

加えて、高齢者が受け取れる年金の額も、痛み分けということで減額されるでしょうから、どの世代においても消費が抑え込まれることになります。

ただでさえ人口減少には消費を抑え込む作用があるのに、日本の場合、総人口に占める高齢者比率が高い超高齢社会なので、さらに消費が落ち込み、経済活動が停滞する恐れがあるのです。

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