2022年に株価を下げる「6頭の熊たち」に注意せよ 株価は目先上昇でも、徐々に黒い影が忍び寄る

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とはいっても、当コラムでも何度か示唆してきているように、来年のおそらく前半には、主要国の株価が下振れするものと懸念している。前述のように、年内にもう少しだけ日米などの株価が上がり、その後、来年に落ちるという展望だが、年内の上昇は確実なものではないし、当面の株価上昇幅もそれほど大きなものではなかろう。

とすると、目先の株価上昇をあまり欲張らず、あくまでもいったんの下落相場に向けての「心構え」を、そろそろすべき局面に差し掛かっているのだろう。

投資の「最大の敵」は何か

それでも、日経平均の来年の下値メドは2万5000円近辺、NYダウは3万ドル近辺で、「2割程度の下落」しか予想していない。昨年のコロナ禍をきっかけとした買われすぎ相場の崩壊や、ましてやリーマンショックのような暴落ではなく、株式市場ではよくある程度の調整にすぎない。また来年の調整のあとは、大きな流れでの世界経済の回復に伴う株価の長期上昇を予想している。

このため、投資家が長期的な見地から「長い目で見れば、来年株価が下振れしてもまた上昇基調に復するなら、売りも買いもせず、ずっとこのままでいこう」と考えてもよいだろう。

一方、一時的であっても「手持ちの株式や株式ファンドが大きな評価損を抱えてしまうと、精神衛生上、健全な日常生活が送れない(笑)」、あるいは「株価が全般に下振れしたところで現金から買いを入れたいが、今手元に十分な現金がない」ということであれば、当面は保有株を少しずつ現金化していけばよいと考える。

もちろん、下げ相場を欲張って、個別銘柄の信用売りを入れる、あるいはダブルインバースETF(上場投資信託)を信用買いする、などのリスクの高い取引を行うことは、まったく投資家の自由だ。

ただ、筆者としては目先、例えば日経平均が3万1000円に迫る(足元から1000円以上上振れする)可能性も否定はできないので、向こう1カ月前後のその程度の上げ相場に耐えられるポジションにとどめるべきだと思う。投資の最大の敵は、証券会社の営業社員でも専門家の見通しでもなく、自身の欲だ。

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