数字にだまされる人と裏の本質を見抜く人の大差

「ロジカルなつもり」で非論理的という残念な思考

② 「裏づけ」を過度に信頼

「裏づけ」があるとひと安心、そんな根拠を重視するタイプの人にも注意してほしいポイントがあります。

「科学的エビデンス」や「数字をともなった裏づけ」があると、私たちはその情報を正しいと問答無用に認知しがちですが、その裏づけがどのように作成されたのか、「根拠の背景」に気をつけなければ現実を見誤ることがあります。

裏づけの元となるデータは、多くの場合「科学者」や「リサーチャー」といった客観性を求められる第三者によって作られます。ただし、彼らも人間です。実験を始めるにあたって「出てほしい結果」を持っています。その仮説が真であることを確かめるために、実験を組み立てるのです。

たとえ仮説が立証されたとしても、欲しい結果が出るまでくり返し実験が行われた可能性は否定できません(実験を繰り返せば、いつかは「出てほしい結果」が出る場合があります)。

サンプル数が少ないかもしれない

また、その実験のサンプル数が少ないケースもあります。「力強いポーズを取ると気分が高まり、ホルモン分泌も変化する」という社会心理学者の実験が話題になったことがありますが、実験参加者はたった42人だったことが判明。サンプル数を200人に増やすと、有意な関係は見られませんでした。

学術誌やメディアでは、肯定的な結果が出た研究のほうが否定的な結果よりも発表されやすい傾向があります。そして、科学者にも自分の仕事を発表したい気持ちがあります。結果として世の中に偏った情報が提供されやすい今の状況は、エビデンスベースの情報を求める人が増える今、皮肉といえるでしょう。

裏づけを探したりそれを基に仮説を組み立てたりするときには、誰かの意図が絡んでいる可能性、そして本当に現実をとらえているかどうか注意してください。

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