日本一安全なレンタル用キャンピングカーの裏側 乗りなれていない人でも安心できる配慮が満載
ほかにも室内の電源スイッチは、サクラがより細かい制御ができる6連式タイプを3カ所に採用するのに対し、クレステッド アイビスはスイッチ数がより少ないシンプルなタイプに変更している。これは、「サクラのスイッチは、いわゆる上級者向け。初心者の場合、あまりスイッチの数が多いと使えない人も多い。クレステッド アイビスでは、家で使う電源スイッチと同じ感覚で操作できるタイプにした」(蜂谷氏)という。
レンタル専用車両を開発した背景
このようにクレステッド アイビスは、あくまでキャンピングカー初心者が使うことを前提にした装備が特徴だ。では、なぜ、このような車両を製作したのだろうか。蜂谷氏は、「レンタルキャンピングカー協会からの強い要望」がきっかけと語る。レンタル事業者で作る一般社団法人である同協会では、近年、レンタル用キャンピングカーの需要増加によって起こる事故で悩んでいるという。事故増加の背景には、ユーザーがキャンピングカーに不慣れなことも挙げられるが、一方でレンタル車両の問題もある。蜂谷氏いわく、「とくに近年は、レンタル事業者が増加したことで、顧客争奪のための価格競争も起こっている。中には価格を抑えるぶん、コストを削減するために、車両の整備をおろそかにする業者もいて、それが事故の原因になるケースもある」という。
こうした課題解決のために、開発されたのがクレステッド アイビスだ。高い品質と安全性を備える車両を用意し、しかも販売先はレンタルキャンピングカー協会の加入企業に絞ることで、業界の健全性を高めている。
蜂谷氏は、クレステッド アイビスについて、前述のベースシャーシ、いすゞ製ビーカムを使っていることで、極めて高い安全性を持つことを強調する。ビーカムは、とくに耐荷重性に優れていることが特徴だ。最近のキャンピングカーは、家庭用エアコンや冷蔵庫など、より快適性を求めるために装備が増えており、車体重量がより重くなっている。だが、サクラやクレステッド アイビスのようなキャブコンでも、他社モデルに使われるベースシャーシの中には、家電などを搭載する近年のトレンド以前に開発され、重量増を想定していないものもある。そういったシャーシでは、「重さに耐えられずタイヤがバーストすることもある」(蜂谷氏)という。
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