旧車を電動化「コンバートEV」事業者が増える訳 3社取材でわかった旧車をEV化する本当の価値
いずれもオーダーメイドなので、高価になることは避けられない。
しかし、新車のEVでもプレミアムブランドになると、コンパクトクラスであっても500万円以上になる。たとえば、レクサス「UX300e」は580万円、メルセデス・ベンツ「EQA」は640万円だ。比較的手頃なプジョー「e-208」であっても、398万9000円である。
そう考えれば、500万~700万円のEVコンバージョンは、決して“高すぎる”とは言えないだろう。
環境対策に対する回答の1つとして
EVは、航続距離や充電時間を考えると長距離移動には向かない。それを踏まえて、近場の移動に特化した趣味的な乗り物として捉えるのであれば、コンバージョンEVは悪くない選択だ。
そう考えるのは、筆者が今、50年前に生まれたシトロエン「GS」を所有していることもある。1970年代のシトロエンらしいモダンでエレガントなスタイリングと、前衛的なインテリア、ハイドロニューマチックサスペンションによる独特の乗り心地などが気に入っている。
1.0リッターの空冷水平対向4気筒エンジンをMTで操るドライビングも気に入っているが、エアコンがないこともあって暑い日のドライブは控えるようにしている。
こうした旧車やヴィンテージカーをEVにコンバートすれば、デザインや乗り心地を我慢なしで味わえることになるわけで、「そのほうがいい」という人がいても不思議ではない。
ヨーロッパや日本などで、将来的にエンジンだけで走るクルマの販売が禁止されるのは新車に限った話であり、現在も排出ガス規制前のガソリン車はナンバーを取得していれば公道を走ることができるので、今後も古い車に乗り続けられる可能性はある。
とはいえ、日本でも地球温暖化の影響は気候変動をはじめいろいろ出てきており、環境対策を心がけようという人は、今後さらに多くなっていくはずだ。
もちろんそのときに、新車のEVや燃料電池自動車(FCV)に乗り換えるという考え方もあるだろう。しかし、生産や廃棄の際の温室効果ガス排出を考えれば、今あるものを大切に使うコンバージョンEVもまた、1つの環境対策であることは確実である。
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