「リアル出社で久々の雑談」乗り切る4つのコツ 衰えた会話力を「リハビリ」するための方法

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ちなみに、理化学研究所の研究(2013年)によれば、2者の間で発話のリズムが同調すると、脳波リズムも同調することがわかりました。「会話のリズムがコミュニケーションにおいて重要である」ことを裏づけています。

 「How」で質問〜「Why」で相手に負担を強いない〜

雑談が続いて場の空気もあたたまってきたら、いろいろと質問して話を深めたくもなります。が、その際、「Why(理由)」ではなく「How(状況)」の形式で質問するのが効果的です。

そもそも会話における「質問」の目的は「相手が話しやすくなる」こと。「こちらの好奇心を満たす」ことではありません。

×「寝坊しちゃって、まいったよ」「なんで寝坊なんかしたの?」 「いや、なんでって言われても...。アラームが……」

○「寝坊しちゃって、まいったよ」「そりゃ大変だ。どれぐらい?」 「2時間! やばくない!? それでね〜」

×「最近、転職を考えてて」「どうして? 何が不満なの?」「いえ、不満ということはないんですけど……」

○「実は最近、転職を考えてて」「そうなんだ。どんな業界?」「具体的なイメージはないんですけど、今の働き方が合ってないかなって」

そもそも「Why」は「聞き手が好奇心を抑えられずに尋ねる」場合がほとんど。

ですが、理由を尋ねられると相手は強制的に「醒めた」 状態に引き戻されます。「なんでだっけ?」「ちゃんとした理由を言わないと……」とプレッシャーを感じます。一方、幅広く状況を尋ねられると、答えたいことを答えられるので話が広がりやすいのです。

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ちなみに、カルガリー大学のカールの研究によれば、質問には①情報を得るための質問と、②相手の思考や自己理解をうながすための質問があり、カウンセリングにおいては①よりも②のほうが効果的、ということがわかっています。

このように、話し方をちょっと工夫するだけで話しにくい相手、緊張してしまう相手ともスムーズにコミュニケーションをとることができます。

コロナが明けて間もない今のタイミングでは、いきなり以前のような「何でも気楽に話せる間柄」まで、関係を持っていくのは困難。

まずはじっくり焦らず、すぐにできる簡単なコツから始めて、衰えた会話力を「リハビリ」していくのがいいでしょう。

五百田 達成 作家、心理カウンセラー

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いおた たつなり / Tatsunari Iota

米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー、株式会社 五百田達成事務所代表。35万部を突破した察しない男 説明しない女シリーズ、『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て独立。「コミュニケーション心理」「職場の人間関係」を主なテーマに執筆や講演を行う。

 

 

 

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