人手不足が逆風に、疾走リブセンスの蹉跌 上場来初の下方修正、連続増益記録もストップ
人手不足は、求人サイトにとって本来なら儲かる局面のはず。たとえば「バイトル」ブランドで求人サイトを運営するディップ。2013年3月期の営業利益は前期比約7倍の17億円で着地。今期は同4割強の営業増益を計画している。
だが、リブセンスには人手不足が逆風となった。そのカラクリを読み解くカギは、同社独自の事業モデルにある。ジョブセンスは企業の求人情報をサイトに載せるだけでは掲載料をもらわない。原則として、採用に至った際に初めて企業から手数料を受け取る。企業側は無駄なコストをかけずに人を集められる。
この事業モデルがこれまでは強みを発揮。利用企業は増え続け、リブセンスは強気な値上げも実施できた。が、人手不足の局面になると、企業は悠長に成約を待っていられない。ジョブセンスの成約率が落ちるのは必然だった。
アルゴリズム変更が追い打ち
追い打ちをかけたのが、グーグルのアルゴリズム(処理手順)変更だ。対応に遅れたことで、検索結果におけるジョブセンスの表示順位は急低下。AKB48を起用した宣伝やいち早く進めてきたスマートフォン対応などの施策が好循環を作っている」(渡辺永二取締役)バイトルとは対照的に集客力が落ちた。
リブセンスは、検索エンジンの表示順位を上昇させる手を打つほか、新たに電話サポートの強化や、一部大手企業に対する値下げなども進める。崩れてしまったモデルを立て直し、成長軌道に復帰できるか。若手経営者の手腕が試されている。
(「週刊東洋経済」2014年8月30日号<8月25日発売>掲載の「核心リポート03」を転載)
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