日本人に大災害より確実に「人生大転機」が来る訳 「震災復興とライフシフト」で考えるレール人生

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私は東日本大震災後に、復興支援のためのNPOを経営してきた。産業、コミュニティ、人材、テクノロジーなど、復興に関係すると思えば何でも取り組んできた。我ながら節操がないと思っていたが、ある時期から、複数のテーマをもっていると、それらが繋がって新しい仕事が生まれることに気づいた。

コミュニティとNPOの知見があることから、社会連携を重要テーマとして掲げている日本プロサッカーリーク(Jリーグ)に招聘され、昨年から社会連携を担当する理事を務めている。NPOとテクノロジーの知見から、PwCグループが設立した社会貢献財団から要請され、理事となった。私は復興NPOにどっぷり関わることで、結果として自分のキャリアが大きく広がった。

仕事や生活を通じて、職業選択肢を増やせているか。そのために学び続けているか。またそのための環境を準備できているか。こうした「探索」ができているかを本書は我々に問いかけてくる。

キーワード3 「関係」 なぜ人間関係を深めるのか

物語を探索し続けるために、人間関係こそ重要だという。マルチステージの人生では、一人で人生を歩もうとすると選択肢が減り、学ぶ機会も限られてしまう。人間関係を深めることに投資をすることで、自分を保ち、漂流状態になることを防ぐことができる。

本書が注目する人間関係には3つのタイプがある。

1つ目は、家族だ。今の時代の家族の変化に対応する必要がある。結婚も出産も遅くなっている。仕事における男女の差は縮まり続けている。その結果、片方のキャリアを片方がケアする関係は失われつつあり、お互いのキャリアを支え合い、時と場合により支え合う立場が入れ替わるシーソーのような関係が増えている。人生の選択を認め合い、またお互いの変化に適応するような関係が求められている。

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