激増する盗撮「犯人は普通の会社員」が多数の衝撃 「平均21.8歳」で盗撮を始めているという衝撃
自分のストレス解消のために、女だからと八つ当たりする。これは8月に起きた小田急線刺傷事件でも見られた。
加害者の「幸せそうな女性を見ると殺してやりたいと思っていた」という供述に表れていたミソジニー(女性嫌悪)ともつながるのだ。
「加害者には、“ミニスカートをはいているのは盗撮をしてほしいと言っているようなものだ”などの認知の歪みがうかがえます。“盗撮は根暗な変態がするもの”と言う人もいますが、そうではありません。むしろ女性をモノのように扱う一部の男性が持つ価値観は、社会に蔓延しているセクハラやパワハラと根っこは変わらない」
盗撮加害者になりうる危うさは誰もが秘めているのだ。
未成年による盗撮は逮捕されることも
さらには接客中の風俗嬢を狙った盗撮も相次いでいる。
今年6月に立川市内のホテルで風俗店勤務の女性(31)が19歳少年に殺害された。
被害者女性は加害少年が部屋にカメラを持ち込んでいたことに気がつき、トラブルになった、とも報じられている。
この加害少年のように未成年の子どもが盗撮をするケースも少なからずある。
「母親にとっては息子が性犯罪の加害者になるとは、まさに青天の霹靂(へきれき)です。“まさかうちの子が……”という驚きとともに、周囲からも“親の育て方が悪かったんだろう”“親の顔を見てみたい”など心無い言葉を浴びせられます。しかし専門家からすると、親の育て方と加害者の問題行動には直接的な相関関係を示すエビデンスは皆無です。けれど特に母親は、“私の育て方が悪かったから”という子育て自己責任論によって追い詰められ、誰にも相談できずに苦悩します」
同クリニックでは、「妻の会」をはじめとする加害者家族の支援にも取り組んでいる。
「“うちの子は手のかからないいい子でした”と言う親御さんもいますが、実はそれはあくまで親にとっての『いい子』。子どもは自分の欲求や欲望を巧妙に隠しながら、親の期待を先取りしてニコニコとした仮面をかぶっていたというパターンもあります」
過去に、検事として盗撮加害者を取り調べた経験のある高橋麻理弁護士は、語る。
「盗撮をすれば未成年とはいえ、14歳以上になると刑事責任を負う可能性はあります」
事実、盗撮をした疑いで高校生が逮捕された事例もある。