拾った「火中の栗」、3年で再生できたワケ SOLIZE・古河建規社長に聞く(後編)

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三宅:ぜひとも、どうしたらそんなふうになれるのか教えてください。毎日が誕生日だと思うには、何か工夫が必要なのでは?

古河:そうですね、僕は「包まれない」ことを心掛けています。人はさまざまな外的要因により、包まれてしまうのですね。たとえば、「民事再生を終えた社長」「すばらしいですね」とか言われて、自分が自分でいられなくなる。それが包まれるということです。包まれないようにするには「本来持っている自分の力を出せているか」を、自分で自分に問うことが大事だと思っています。

三宅:なるほど、もしかして毎日が誕生日というのは、それゼロにするということですか?

古河:そうですね、毎日ゼロにして、よく言われても悪く言われても本来の自分でいる。包まれないようにしています。

もうひとつ心掛けていることとしては、気持ちが枯れてしまわないようにしています。自分の内的要因から、泉のようなパワーが出なくなってしまわないように、「本当に情熱を持っているか」を自分で自分に問うことが大事です。あと、情熱を枯らさないよう、毎日、情熱大陸のテーマを聞きながら会社に来ています(笑)。

外的なものに包まれずに、内的なものからパワーを出す。この2つが大切ですね。

三宅:普通は、そのためには自分が強くないといけないし、成功体験に基づく自信がいるのかなと思うのですけど。

古河:僕は成功体験を引きずるのはよくないと思います。たとえば、再生が終わってよかったとか喜んでないで、それはもう過去の話ですから、今をスタートポイントにして、今から先へと進んだほうがいい。

三宅:では成功体験でもないのですね。むしろ成功体験を捨てるとうまくいく。

古河:つねにチャレンジすることだと思います。チャレンジするときに成功体験が血となり肉となってくれている。成功体験をそのまま持ってくるのではなく、それは自分の血となり肉となってくれているはずだと思うから、またチャレンジできるのだと思います。

理想のチームはサッカーで言えばドイツ

三宅:今日のお話を伺うと、古河さんの前向きさに圧倒されます。

古河:僕も自分はみんなと同じだと思っていたのですけど、何だか違うみたいなのですよね(笑)。

三宅:最後に、これからチャレンジをする人へのメッセージをお願いします。

古河:やはり「一切唯心造」ですね。チャレンジするときは、できると思うことがすごく大切です。変に頭がよすぎると、できない理由がいっぱい出てきて、無理となってしまう。そこはロジカルというより、本当にやろうと思うか、勝てると思えるかどうかが大事だと思います。

三宅:みんな勝てないと思ってしまうんですよね。

古河:情熱を持って、自分はうまくいくと本当に思えるかどうか。そう思える人が何人いるかが会社の価値だと思います。

SOLIZEが目指しているのは、サッカーでいうアルゼンチンのようなひとりのスーパースターの組織ではなく、ドイツチームのようにいろいろな人がシュートできる組織です。自分ひとりで何とかしようというのではなく、それぞれが責任感あるリーダーとしてやっていくことを目指しています。

三宅:人の力を掛け合わせていけば、何とかなるということですね。

古河:そうですね。リーダーが多くいれば、いい仕事ができる。なんだ、当たり前じゃないか、みたいな感じですけど、僕はそう思っています。

ですので、自分が成長したいと思う人は、ぜひSOLIZEに入ってリーダーになってください(笑)。

(構成:仲宇佐ゆり、撮影:尾形文繁)

三宅 孝之 ドリームインキュベータ執行役員

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みやけ たかゆき

京都大学工学部卒業、京都大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修了(工学修士)。経済産業省、A.T. カーニー株式会社を経てDIに参加。経済産業省では、ベンチャービジネスの制度設計、国際エネルギー政策立案に深く関わった他、情報通信、貿易、環境リサイクル、エネルギー、消費者取引、技術政策など幅広い政策立案の省内統括、法令策定に従事。DIでは、産業プロデュース事業を統括し、環境エネルギー、まちづくり、医療などを始めとする様々な新しいフィールドの戦略策定及びプロデュースを実施。また、個別プロジェクトにおいても、メーカー、IT/通信、金融、エンタメ、流通、サービスなど幅広いクライアントに対して、新規事業立案・実行支援、マーケティング戦略、マネジメント体制構築など成長を主とするテーマに関わっている。

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