カローラクロス対CX-30ベストサイズSUV徹底比較 実用性の高いトヨタか、高級路線のマツダか?

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CX-30の走行イメージ(写真:マツダ)

CX-30の新車販売台数は、日本自動車販売協会連合会のデータによると、2021年度の上半期(1~6月)で1万1661台(前年同期比73.2%)、全登録車中30位とやや生彩を欠く。要因は、マツダの某販売店によれば、SUVラインナップの代名詞ともいえるCX-5の人気が再燃してきたことだという。実際に2020年(1~12月)の新車販売台数では、CX-5が2万4222台(前年同期比76.8%)で全登録車中30位だったのに対し、CX-30は2万7006台(前年同期比297.8%)で27位となり、同年のマツダSUV中で最も売れたモデルだった。ところが、前述の2021年度の上半期(1~6月)における新車販売台数では、CX-5が1万2460台(前年同期比98.5%)で27位と、CX-30を上回り、マツダSUV中のトップに返り咲いた。

マツダの主力SUVとなっているCX-5(写真:マツダ)

ただし、CX-5とCX-30は、いずれも前年同期比でマイナスだ。とくにCX-30は2021年に入って販売台数の落ち込みが著しい。CX-30が属するコンパクトSUV市場は、例えばトヨタがヤリスクロスや今回紹介するカローラクロス、ホンダがヴェゼルを発売するなど、続々と他メーカーも新型を投入することで競争はより激化している。CX-5についても、ライバルのハリアーが2020年6月に新型となってから売上が好調。2021年上半期(1~6月)の新車販売台数4万8271台でランキング5位に入るなど、かなり水をあけられた状態だ。マツダは、ラインナップの中核となるSUV、とくに主力モデルがいずれも苦戦しているのだ。

マツダが2020年以降の計画を発表、SUVで逆転を狙う

2021年10月、マツダは2022年以降のSUV商品群について拡充計画を発表した。主な内容は、グローバル市場へSUVの新規モデルを追加投入することで、さらなるラインナップの充実を図るというものだ。CX-30と同サイズの「CX-50」をはじめ、より大型の4モデル「CX-60」「CX-70」「CX-80」「CX-90」を北米や欧州などに投入。国内にも2列シートのCX-60や3列シートのCX-80を販売予定だという。

とくにクリーンディーゼルエンジンの人気が根強い日本市場では、直列6気筒の「SKYACTIV-D」に48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた仕様や、プラグインハイブリッド車などを導入していくことで、電動化も進めるという。ちなみに、中核となるCX-5については継続的に販売を予定。商品改良によりデザイン進化やモデルラインナップの拡充を図る予定だ。

マツダのこうした新規施策が、激戦のSUV市場における覇権争いにどう関わってくるのかが注目される。また、カローラクロスの追加により、ランドクルーザーといった大型モデルからヤリスクロスやライズなどのコンパクトモデルまで、より充実度が増したトヨタのラインナップに対し、マツダSUVがどう挑んでいくのかも気になるところだ。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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