米フェイスブックの社内調査グループは3月、クリス・コックス最高製品責任者(CPO)向けに報告書をまとめた。掲載された一連のチャートやデータは、ティーンエージャーとヤングアダルト層でフェイスブックの人気が低下しているという厄介で加速しつつあるような傾向を浮き彫りにしていた。
1つのカラフルなチャートを見ると、米国のティーンエージャーがフェイスブックに費やす時間は前年比で16%減少し、ヤングアダルトでは5%減った。ティーンの新規加入件数も減少傾向にあるが、最も懸念されるのは若者がユーザー登録する時期がこれまでより後ずれしていることがスライドで示されたことだった。2000年以前に生まれた人の大半が19、20歳までにアカウントを開設したのに対し、その後の世代では24、25歳になるまで加入しないと見込まれる。
この報告書はフェイスブックを10月上旬に公の場で告発した元社員フランシス・ホーゲン氏が集めた数百件の内部資料の一部。こうした資料は米証券取引委員会(SEC)に開示されるなどした。
フェイスブックはユーザー保護より自社の利益を優先-内部告発者
内部資料によると、詳細な調査にもかかわず、同社社員はこうしたトレンドがなぜ起きているかや、商品見直しでこうした傾向をなぜ反転できていないかについて完全には把握できていない。
フェイスブックは若者の利用が低下していることを以前から調査してきたが、幹部は広告事業を脅かすこうした懸念の表明に明らかに積極的ではなかった。同社の素晴らしい事業の成功が若者を巡る根強い問題を覆い隠してきた。同社は年齢層別のユーザー数を公表していない。
フェイスブックの広報担当ジョー・オズボーン氏は「当社の商品はティーンに幅広く利用されているが、スナップチャットやTikTok(ティックトック)との激しい競争に直面している」とした上で「全てのソーシャルメディア企業はティーンによるサービス利用を望んでいるが、われわれも例外ではない」とコメントした。
原題:Facebook, Alarmed by Teen Usage Drop, Left Investors in the Dark(抜粋)
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著者:Kurt L Wagner
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