「独立」に失敗する人・成功する人3つの決定的な差

成功する人は顧客を創造し未来事業に投資する

実際にあった話です。鳥取県米子市で運転代行業を営んでいた松本誠二さんは、コロナによって主力の運転代行業の大幅需要減に加え、期待していたインバウンド旅行客を対象とした観光バス事業も大打撃を受けました。まさに、万事休すといった状態でした。

ふつうだったら、ここでギブアップしてもおかしくありません。しかし、絶体絶命のピンチを松本さんは生き抜くことができました。数年前から「未就学児の発達支援療育施設の運営」という、まったく畑違いの「未来事業」に着手していたのです。

幸いなことに、施設の運営はわずか数年で軌道にのり、現在は他県から「FC展開してほしい」といった要望が上がるまでに。まさに、「未来事業」によって窮地を救われたのです。「主力事業」だった運転代行事業は、地元のライバル業者に従業員ごと引き取ってもらうことで合意できたそうです。

「収益事業」から個人事業主になる人も

それに加えて、個人事業主として安定度を増すために加えてほしいのがもう1つあります。それは「収益事業」です。

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「収益事業」は、文字どおり「利益の最大化」が目的です。「好き」も「嫌い」も関係なく、顧客のニーズがあり、ある程度の収益が望めるものであれば積極的にチャレンジすることを推奨しています。株式投資で収益を上げる人もいれば不動産投資家もいます。

「収益事業」は仕事である必要はありません。生き抜いていくために「収入の複線化」を目指すものすべてが該当します。

最近では、収益事業を副業ではじめて成長させ、個人事業主になるというケースもあります。団体職員だった堀雄太さんは、中国から仕入れた日用品をインターネットで販売する事業を副業としてはじめ、事業を急成長させることに成功したひとりです。

副業の売り上げが本業の年収を上回ったタイミングを境に、堀さんは個人事業主として独立を決意。その後、輸入電化製品の許認可を中心とした代行事業およびコンサルタントとして新たな事業を立ち上げます。現在はほとんど宣伝することなく、ウェブサイトやブログを見た大企業から毎月オファーが入るまでになり、堀さんの狙いどおり「主力事業」に成長しました。

さらに、堀さんは「未来事業」にも着手しました。独立からわずか数年で、マンゴージュースのフランチャイズ(FC)に加盟したのです。堀さんに飲食の経験などありません。昨年9月に横浜の弘明寺商店街に出店したところ、すぐに人気店に。地元大手百貨店から催事出店のオファーが来るなど、現在2店目、3店目の準備に着手しています。

本業である「主力事業」、将来の主力事業になる「未来事業」、そして収益の最大化を目的とする「収益事業」。この3本の矢ならぬ「3本の柱」がきちんと機能すると、5年、10年と無理なく自然に事業が続いていきます。個人事業主として独立を検討されている方には、「顧客の創造」と合わせて実践してほしいと思います。

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