「社内政治」部長より「3年転職」職人が成功する訳 「人生100年時代」は「年齢や肩書き」で威張るな
古い価値観が残る世代ならいざしらず、40代で年齢マウンティングする人が多いのは、社会の不安の現れではないかと僕は思います。
日本には幼いものが好きという文化もあります。たとえば恋愛映画の大半は、日本では高校生が主人公ですが、フランス映画の場合は中年が主人公で、若者は副次的な存在という扱いが多い。日本人には「年をとったらもう終わり」という感覚があるのでしょう。50代は、恋愛においてはアウトカーストだと言う人もいます。
かつての中高年には、若者のような恋愛はできなくとも、地位や権力を身につけているというロールモデルがありました。しかし、今はそういう中高年は少ない。ロスジェネ世代の中心は45歳です。非正規でカネも権力も持っていない人が多くなっているのです。
それでいて、「若いほうが美しい」という意識が残ったまま中高年になって、どん底に突き落とされるという状況だと思います。これはつまり、人としての「成熟」を求めていないということです。本書は、そういった考えを変えていきましょうという1冊でもあります。
70歳定年制で変わること
日本の中高年の問題は、ヒエラルキーを意識してマウンティングしたがる権力欲の強い人と、権力もないしカネもない人とに二極化していることに加え、健康格差の問題も生じているように思います。
人生100年時代となると、65歳から高齢者と言われても、その先はまだまだ長い。実際に、日本の平均寿命は男女ともに80歳代後半です。生産年齢人口と年金受給者のバランスはこれからどんどん悪くなると言われていますが、それは、生産年齢人口が65歳までになっているから。
70歳までを生産年齢人口に含めるだけで、支えられる側の人数が減り、支える側の人数が増えます。いずれは、75~80歳ぐらいまで普通に働いて、生産年齢人口として計上される社会が来るかもしれません。
ただ、それには、健康の個人差という問題があります。50代ぐらいでは、個人差が激しいと僕は感じます。僕と同年代なのに、「朝から全身が痛くてつらい」と言っている人がたくさんいます。
そんな人たちは、人生100年時代と言われても「こんなにつらいのに、まだ20年も働くの?」と感じるでしょう。一方で、70歳ぐらいになっても、体力も気力も現役時代と変わらないという人もいます。
若い世代でも、自分の能力を生かして起業したり、エキスパートになったりできる人と、そうでない人とで二極化しています。東大生の親の半数以上は年収900万円以上とも言われており、日本は階級社会になりつつある。
すると、階級の上位にいる人は健康のためにマラソンや自転車を趣味にしたり、ジムでトレーニングをしたりして体調を維持できるけれども、そういうわけにはいかない人もいるという格差が生じるかもしれません。
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