「働かないおじさん」に共通するたった1つの特徴 「4つの段階」で求められる周囲のサポート方法

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「WILL・MUST・CAN」のフレームワークについては、人事やキャリア開発に関わっている方ならご存知の場合も多いでしょう。少し詳しい方なら「もっと斬新で格好良いフレームは無いのか?」「デジタルでロジカルなアセスメントの方が便利」などと思われるかもしれません。

ただ、実際のコンサルティング現場で、「こうした当たり前のことを、上司も部下も驚くほど考えていないし、話し合えていない」「シンプルで分かりやすい方が、日々のコミュニケーションで共通言語化しやすい」「真剣に、この3つの充実に向けて取り組むと、かなり効果が出る」と痛感しています。

WILLは「やりたいこと」や「ありたい姿」など、本人の意思や欲求や価値観を意味します。

MUSTは「やるべきこと」や「周囲からの期待」など、周囲からの期待役割やニーズを指します。

CANは「できること」や「得意なこと」など、本人の能力、スキル、強みです。

「働かないおじさん」は何かがズレている

キャリア研修やカウンセリングでは、本人にこれら3つをそれぞれ円として図示してもらい、その円の重なり方や大きさによって、仕事に対するやる気・期待・能力といった「自分の状態」を把握してもらいます。

WILL・MUST・CANが大きくかつ重なっている人は、ハイパフォーマーとして活躍している場合が多いです。

本人が仕事にやりがいを感じていて、その仕事が周囲から期待されており、実際それを遂行する能力もあるという、理想的な状態です。

WILL・MUST・CANが大きくかつ重なっている人は、ハイパフォーマーとして活躍している場合が多いです(図版:アスコム)

一方、ローパフォーマーはWILL・MUST・CANのいずれかが「小さい」、または「離れている」など、ズレが生じた状態になっていることが多いです。

このようなギャップが生じる原因は、本人側に問題がある場合もあれば会社側にある場合もあります。「成果が出ないのは、本人の責任だ」などと上司が一方的に決めつけると、建設的な問題解決に繋がりません。

問題を解決するためには、上司(または人事)から「お互いに改善できることがあるかもしれない。一緒に考えよう」と謙虚かつ真剣に対話する姿勢が大切です。その上で「何がギャップなのか」「ギャップをどう解消するか」「どのような状態になりたい か」について、本人と上司で共有しながら検討し、人事が両者を支援する三者の連携 が、ローパフォーマーを減らすことに繋がります。

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