「働かないおじさん」に共通するたった1つの特徴 「4つの段階」で求められる周囲のサポート方法

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●探求フェーズ

探求フェーズに入ると、「他人の責任にして不満ばかり言っても仕方がない」という思いを経て、「やはり自分でなんとかしないといけない」という前向きな心境になってきます。このような「過去や他人」ではなく「未来や自分」に向かう心境の変化が、行動変容が始まるきっかけになります。

探求フェーズで本人が行うことは、「ワクワクする計画」です。

「自分はこんなふうになりたい」「こういう状態を目指したい」「こうなれたら嬉しい」という、自分の願望を具現化して、達成に向けた計画を考えることです。

探求フェーズで上司が行うことは、「一緒に考える」「支援」です。
プランの実現に向けて、本人の相談を受けて上司がアドバイスするのは構いません。しかし、プラン自体は本人に考えさせる必要があります。他人から押し付けられた計画は、自分事として本気になりにくいので、多少粗くても本人が本気で考えた計画を基に、必要な部分を支援する姿勢が有効です。

「承認欲求」を仕組化・習慣化することが重要

●決意フェーズ

否定・抵抗・探求というフェーズを自分で乗り越えると、変わることが楽しく感じられ、変わることへの抵抗感がなくなります。

変化を自分事として受容し、自身も行動変容していくのが「決意」フェーズです。

この段階では、「外部の情報」「自分の内心」「未来のありたい姿」を統合したうえで納得して自らの意思で内発的に変化するので、叱責や強制によって起きた外発的な変化に比べて実現性と継続性が高くなります。

アメリカの有名な心理学者であるアブラハム・マズローによると、人間の欲求は「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」の5つの階層に分かれるとされています。

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「決意」のフェーズでは、上記のうち「承認欲求」「自己実現欲求」をうまく仕組み化・習慣化することが重要です。

「承認欲求」とは、誰かに認められたい、褒められたいという欲求です。
人は社会的動物なので、他人から注目や称賛を受けると、快楽ホルモンであるドーパミンが分泌され、心地よさを感じます。

決意フェーズでは、探求フェーズにおいて立案した計画を実行に移していくことになりますが、「やってみたら難しかった」「目先の仕事に追われていつの間にか計画も忘れてしまった」など、いわゆる「三日坊主」になる可能性があります。

「三日坊主」を防いで行動を習慣化するために、「褒めてもらう」「注目してもらう」仕組みを、本人と上司が合意の上でつくると有効です。

難波 猛 マンパワーグループ株式会社シニアコンサルタント

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なんば たけし / Takeshi Nanba

プロティアン・キャリア協会認定アンバサダー/人事実践科学会議事務局長/日本心理的資本協会理事/NPO法人CRファクトリー特別アドバイザー。1974年生まれ。早稲田大学卒業、出版社、求人広告代理店を経て2007年より現職。研修講師、コンサルタントとして3000人以上のキャリア開発施策、2000人以上の管理者トレーニング、100社以上の人員施策プロジェクトにおけるコンサルティング・研修等を担当。セミナー講師、大学講師、官公庁事業におけるプロジェクト責任者も歴任。

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