半日で500万台販売、”赤いアップル”小米

蒸発マーケティングで消費者の心を鷲づかみ

小米はスマホブランドだが、自社では企画と販売、顧客サービスしか行わず、端末の設計や生産は台湾・鴻海精密工業(ホンハイ)などの受託メーカーに外注している。アップルと同じファブレス業態のため、“中国のアップル”と呼ばれることも少なくない。

アップルにたとえられるもう一つの理由が、雷CEOのカリスマ的な人気だ。同氏はソフトウエア開発の金山軟件(キングソフト)を1992年に創業。金山はマイクロソフトオフィスとの高い互換性を持つ文書・表計算用ソフトで成長した。ユーザーインターフェースがマイクロソフト製品に酷似していたため物議を醸したが、今では低価格パソコンにプリインストールされるなど広く普及している。

同氏はこのほか、ネット通販など20社以上の新興企業に創業者や出資者としてかかわっている。中国を代表する若手起業家である雷CEOが、小米の革新的なブランドイメージを演出している。

中国シェア首位奪取は時間の問題

小米の国内での躍進に対し、世界ではシェア3位を誇る華為技術(ファーウェイ)が小米の売れ筋機種並みに価格を下げた新機種を大々的に投入するなど、競合各社も懸命。だが今のところ、躍進を食い止める勢力は現れておらず、国内シェア首位奪取は時間の問題とみられている。

一方、小米は海外にも猛攻を仕掛けている。7月、インドで地元のネット通販業者を介して販売を開始。8月にはブラジルのサンパウロに事務所を開設し、南米市場参入への橋頭堡を築いた。マレーシア、フィリピンなど東南アジア数カ国にも進出済みだ。

ただ新興国では、インドのマイクロマックスなど、ローカルブランドが高い人気を誇っている。これらのブランドは、100~200ドルという圧倒的な低価格と、そこそこの性能を売りにしており、小米に消耗戦を挑んでくる可能性が高い。ネット文化も異なる中、蒸発マーケティングをうまく仕掛けられるかも不明だ。小米は中国から世界のガリバーに成長できるか。

「週刊東洋経済」8月30日号(25日発売)の「核心リポート01」から転載)

 

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