フランスで「日本マンガの人気」再沸騰している訳

若者向け文化補助金の使い道として圧倒的人気

同国のマンガ新作の値段は平均で1冊あたり7ユーロ程度とされる。300ユーロが手に入れば、シリーズ全巻のコレクションをそろえることも可能。SNS上には歓迎のコメントが飛び交った。

中には『僕のヒーローアカデミア』のマンガ本を高く積み上げた写真を貼り付け、「カルチャーパス万歳」とツイートする若者もいた。地元メディアは「カルチャーパスがマンガパスと化した」(フリーペーパーの『ヴァンミニュット』電子版)と皮肉交じりで伝えた。

「カルチャーパス効果」でマンガの売り上げが急増。ゲーム制作などを手掛ける同国のミクロイド社のステファン・ロンジャール最高経営責任者(CEO)は「日本のマンガがフランスのBD市場全体のほぼ半分のシェアに達した」と指摘する。

「第一次」日本アニメブームは70年代

フランスでのアニメ・マンガブームの火付け役となったのが、「UFOロボ グレンダイザー」である。1975年から日本で放映された同作品は地球を守るロボットの戦いを描いたもので、1978年に上陸したフランスでも人気が沸騰。『ゴルドラック』というタイトルで放映され、多くの子どもたちを引き付けた。

『ゴルドラック』人気はやがて、『キャンディ・キャンディ』『美少女戦士セーラームーン』など他のアニメ作品にも飛び火。1993年の『ドラゴンボール』出版から始まったマンガブームの基礎も作った。

「自分は『ゴルドラック』、妹は『キャンディ・キャンディ』を見て育った」と話すのは、日韓両国のカルチャーに詳しい仏『ル・モンド』紙のフィリップ・メスメール記者だ。「他の欧州の国々よりも早く放映が始まったのが、日本のアニメやマンガがフランスに定着した一因」(メスメール氏)という。

作品の醸し出す世界観はフランスの視聴者や読者を魅了した。「登場するヒーローに自らの姿を重ね合わせるなどして没入するのが容易」(同氏)。手を十字に交差させて『ウルトラマン』の必殺技、スペシウム光線を放つポーズを真似していた日本の子どもたちの姿を彷彿させる。

ストーリーの多様性や絵の繊細さなども支持される理由の一つだ。「日常生活や家族との関係で青少年の抱く疑問や葛藤などが盛り込まれるなど、ストーリーに深みや豊かさがある」(ミクロイド社のイヴ・ブレオー上級副社長)。

フランスでは従来、アニメや漫画は子ども向けのものと考えられていただけに、大人にも広く愛される日本のアニメやマンガのストーリーは新鮮だったに違いない。今では幼少期からアニメに慣れ親しんだ親の世代から子どもまで幅広い層に受け入れられている。

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