なぜ私たちは夏目三久の引き際に魅了されたのか ビジネスパーソンの心にも響く5つの理由

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フリーアナウンサーとしての人生は、「マツコ&有吉の怒り新党」への出演からスタート。困難な状況を見事に抜け出して、10年間にわたる復活劇を見せてきたことを多くの人々は知っています。夏目さんが見せた困難に向き合い、打ち勝つ強さとしなやかさは、ビジネスパーソンにとっても参考になるものでした。

そんな夏目さんに古巣の日本テレビは再びチャンスを与え、2013年4月に「真相報道 バンキシャ!」の総合司会に就任。その立場を今回の引退までまっとうしたことも、彼女のレジリエンスを物語っています。

全盛期のまま引退する素晴らしさ

夏目さんの引き際に魅了された2つ目の理由は、レギュラー3本の売れっ子状態で、きっぱり引退したこと。彼女は引退直前まで平日帯番組の「あさチャン!」、日曜夕方の「真相報道 バンキシャ!」、土曜深夜の「アニマルエレジー」(テレビ朝日系)で進行役を務め、しかも前者2つはプレッシャーのかかる生放送でした。

業界のトップを走り、それをキープした全盛期での引退。しかも復帰の含みを一切感じさせない振る舞いには、「自分のベストを尽くしてきた」という達成感が漂っています。

加齢とともに下降線をたどり、逃げるように辞める人が少なくない中、夏目さんにはそのような傾向は見られませんでした。実際、フリーアナウンサーは「供給過多」と言われる状態が続き、さまざまな仕事に手を広げるのが当たり前のようになっていますが、夏目さんは最初から最後まで進行役としての仕事に徹することができたことが、その実力を裏付けています。

また、「ほとんど進行役の仕事しかしなかった」からといって、決して頭が固く、ノリが悪いわけではないことも、好感度が高いポイントの1つ。事実、「あさチャン!」の最終回で過去の映像を振り返るシーンでは、サザエさん風コント、PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)、新垣結衣さん・星野源さんとの「恋ダンス」などを披露して自ら番組を盛り上げる姿が見られました。

夏目さんは9月24日に出演した「A-Studio+」(TBS系)で、「今まではすごく特別な世界にいさせてもらったので、『普通に平穏に暮らせればいいな』と思っています」と話していました。短い言葉であるにもかかわらず、トップを走り続ける充実感と難しさ、「やり切った」という満足感、後悔のない心境などがにじみ出ていたから、視聴者は感動を覚えたのです。

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