成果を出すのに認められない人の残念すぎる理由 DXでの効率化が進む中で必要とされる人材とは

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縮小

「別に現状でなんとかなっているから大丈夫」「余裕ができたらやろうかな」「DXなんてITに疎いうちの会社には関係ない」と、もしあなたや会社が考えているのであれば、それは非常に危険な兆候です。

今は大丈夫かもしれません。しかし、今DXによるドラスティックな効率化をしておくことが、今後の会社が生き残るかどうかを左右します。

その理由は極めてシンプルです。「人口減少によって市場が縮小し、今行っている事業の売り上げが自然と減少していくから」です。

政府の推定によれば、30年後に日本の人口は5分の4となります。単純計算で売り上げが5分の4になるのです。

現状の売り上げでも事業を維持できるように、事業コストや業務効率のあり方を進化させることに取り組んでいかなければならないのです。

さらに言えば、ここまで変化の激しい時代の中で、1つの事業が続く年数や1つの施策の効果が続く期間、いわゆる「事業寿命」「施策の賞味期限」はどんどんと短くなっているように感じます。つねに新しい事業や商品、アプローチ、戦略が求められてきています。そんな中で、現状の売り上げを立てるためだけに、同じ事業や戦略をこなしていくことのリスクは非常に高いものがあります。

だからこそ、効率化に取り組んで仕事に余裕を生み出し、その余裕で新しい事業、商品、アプローチを産み生み出すことが大切なのではないでしょうか。

DXによる効率化は、スモールスタートで

一気に効率化を進めるならば、業務のDX化を考えることです。その方法は、詳しくは『仕事のムダをゼロにする 超効率DXのコツ全部教えます。』に書いてありますが、DXと聞いて「ITがわからないから無理」「巨額の資金が必要なんでしょ?」と拒否反応を起こすのはもったいない。選ぶのはクラウド型CRMの導入です。

『仕事のムダをゼロにする 超効率DXのコツ全部教えます。』(アスコム)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

今は数億円、数十億円の開発費がかかるようなシステムを企業が所有しなくても、月々数万円から「利用」することができます。

IT知識がなくても構いません。「クラウド型CRM あなたの業務改善のポイント」で検索して、扱っている企業を探してください。そして「Webサイトだけ見ても機能がわかりにくい」傾向にあるので、積極的に資料請求や問い合わせをしてみてください。

こちらはお客様なのですから、懇切丁寧に説明をしてくれるはずです。とくにWeb打ち合わせが主流になっている今では、話を聞く心理的ハードルも低いはずです。わからないなら専門家に聞くのが一番です。そこで、あなたの要望や業種にちょうどいい活用事例セミナーや同じ業界の活用事例資料なども提供してくれるでしょう。「とことん利用させてもらう」気持ちで相談してみてください。

そして、もし導入するシステムが決まったのなら、最初から大改革を施すのではなく、小さく始められて、成果が出やすい部署から小さく導入することがポイントです。業務改善に前向きでない組織では、ちょっとでもうまくいかないと「やっぱりうまくいかなかったじゃないか」「アナログなやり方のほうがよかったんだ」と、エラーの発生を「失敗」としてネガティブに捉えやすいからです。

操作方法のフォローやシステムエラーへの対処をしながら、できるだけ成果の出やすいところで、成果を出し、そこから広げていく。そうして、確実に市場が縮小していく時代、変化の激しい時代でも負けない会社の土台を築いていってください。

内田 光治 ワークデザイン代表取締役、ウチダレック専務取締役

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うちだ みつはる / Mitsuharu Uchida

應義塾大学経済学部を経て、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。楽天株式会社、フィンテックのベンチャー企業株式会社ネットプロテクションズを経て、株式会社ウチダレックに入社。成長し続けられる働きやすい企業を目指し、業務のDX化を軸とした業務改革を実行。不動産業界初の週休3日を導入、同時に社員ひとりあたりの営業利益2.5倍を達成。現在は、自社での経験をもとに開発した業務効率化クラウドサービス「カクシンクラウド」を開発/販売する株式会社ワークデザイン代表取締役も務める。

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