ビアードパパ「和のシュークリーム」新業態の背景 和三盆糖やきな粉、日本酒など和の素材が特徴
このようにビアードパパでの経験も踏まえ、満を持してリリースした新ブランド、髭乃助。7月7日のオープン以降の反響は期待以上に高かったようだ。
「ここのところコロナによって落ち着いてきた感がありますが、当初の売上げとしては予想していた数字のおよそ倍程度でした。2000個ほど販売した日もあります。インスタグラムなどで取り上げられ、拡散していただいたことも期待以上でした」(杉本氏)
SNSで話題となったためか、当初は遠方から訪れた客もいたというが、現在は沿線の利用者が自宅への土産として買い求める例が多いそうだ。商品も、6種類の詰め合わせより、1つずつ好きなものを選んで購入していく客が多い。1番人気は「和三盆糖のカスタード」、2番は「天空の抹茶」で、あとの4種類は同じぐらいの販売数。
「ビアードパパを利用されているお客様が、食べ比べの意味でカスタードを購入されているのではと思います。また、『芳醇の日本酒』はSNSの投稿でよく誉めていただいていますね。日本酒風味は、開発部に原材料となる粉末やジュレなどの食材を上手に活用するスペシャリストがおり、その担当者の提案で加えております。当社の開発力をアピールする商品なので、今後商品の入れ替えがあってもこれについては残していく予定です」(杉本氏)
筆者も食べ比べをしてみたところ、いちばん好きだったのが「芳醇の日本酒」だった。すべての種類に共通して甘さが控えめではあるが、芳醇の日本酒においてはクリームチーズが使われているため、ほどよい酸味でさらに爽やかに仕上がっている。どこかで味わったことがある独特の香りがあるのだが、これが日本酒の風味ということだろうか。日本酒を意識すれば当然日本酒に合わせるところだろうが、生地とクリームチーズの組み合わせはワインでも楽しめそうだと感じた。
もちろん、どの種類もお茶などといっしょに楽しむことができる。種類ごとに、ほうじ茶や緑茶、紅茶、コーヒーなどいろいろな飲み物とのペアリングを試してみたい。
立地を生かした戦略を検討
さて、裾野拡大の意図からSNS映えなども意識して立ち上げられた同ブランドだが、他方、立地を生かした戦略を検討している。ビアードパパが駅やショッピングセンターに広く出店しているのに対し、髭乃助では手土産・自家需要の双方に対応すべく、住宅街に直結ターミナル駅を中心に展開し、沿線の利用者に訴求するプロモーションを打っていく予定だ。例えばオープン時には、ポイントカードを発行し、沿線のお客にはポイントを1つ増やすキャンペーンを実施した。
「コロナでご自宅用に買い求められる方が増えていると感じますね。会社からの帰宅途中に購入されることも多いです。すでにポイントがたまったためカードを回収したお客様もいます。沿線にファンを増やし、髭乃助をお客様にとって身近な存在にしていきたいと考えています」(杉本氏)
将来的な出店数としては20〜30店舗ほどを見込んでいるという。固定ファンを増やすためには、定番の味でしっかり客の舌をつかむとともに、季節に応じ魅力的な商品を投入し、選ばれる動機を提供し続けていくのが大切だ。近々発売予定の新作が待たれる。
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