ビアードパパ「和のシュークリーム」新業態の背景 和三盆糖やきな粉、日本酒など和の素材が特徴

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ビアードパパの主要客層は30〜40代主婦。新しい層の開拓は課題となっており、若者への訴求を狙ったコラボ戦略などにも力を入れてきた。

しかし、シュークリームと言えばケーキ屋のショーケースの中でも安い部類に位置付けられ、用途もお土産よりは自宅用が多い。ほっとするだんらんのお菓子ではあるが、つまりは地味なのだ。

ビアードパパだけでシュークリームを盛り上げるのは限界がある。SNS全盛の今、若者にもアピールする洋菓子はできないか。そうした検討の末、考えついたのが“和モダン”をコンセプトとした髭乃助だったのだそうだ。

和の食材は世界的にもヘルシーと評価が高い。洋菓子の世界でも、和素材を取り入れる手法が広がっているところだ。日本茶への注目と相まって、抹茶ラテもちょっとしたブームとなっている。

「モノよりコト」需要を意識

そして髭乃助では直球の和ではなく、「モダン」を組み合わせることで、洋と和の融合、新しさと高級感を表現した。

こだわったのはブランディングだ。近年高まっている“モノよりコト”需要を意識し、商品そのものでなく、家族のだんらん、大切な誰かに贈るなど、シーンを連想させるブランディングを心がけた。

「モノよりコト」消費を意識し、雰囲気を高めるための包材にこだわった。個包装で食べやすく、食べる姿が上品に見えるのも手土産にしやすいポイント(写真:麦の穂)

詰め合わせの箱には包装材としてかけ紙を用意したほか、シュークリームは1つひとつ個包装し、和紙のひもで口を結わえるなど、贈り物の伝統的な形を取り入れた。なお、ひもは色を変えてあり、中に入っているシュークリームの種類がわかるようになっている。

生地の包あん、焼成技術や、クリームを詰めるためのクリームマシーンなど、ビアードパパで20年培われてきたノウハウはそのままに踏襲。

中に詰めるクリームは店でつくり、客足を見ながら生地に詰めていく。できるだけフレッシュな状態で客に手渡す工夫だ(筆者撮影)

生地は店舗のオーブンで毎日焼きあげ、手作りのクリームを1つひとつ手作業で詰める。これにより、可能な限りフレッシュな状態で客に手渡すことを心がけているのだ。

価格はビアードパパが180〜250円前後であるのに対し、260〜300円程度とちょっと高めに設定されている。6種類詰め合わせはちょうど1600円だ。

【2021年10月18日14時20分追記】 記事初出時、価格に誤りがあったため上記のように修正しました。

現時点の品ぞろえは6種類だが、今後は3カ月に一度程度、季節に合わせて新商品を投入していくそうだ。

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