巨大化したグーグルは、分割するべきなのか <動画>今こそ、新しいコードを作り出す必要がある

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巨大化が進むにつれ、分割を求める声が強くなっていく可能性が高い(写真:ロイター/アフロ)

「ググっても(グーグルで検索しても)絶対出ないハナシ」というのが、この企画のタイトル。今回は、そのグーグルについての話題だ。

AFPは6月30日次のようなニュースを配信した。ドイツのハイコ・マース法務・消費者保護相が「グーグルが市場での支配的な地位を悪用することがあれば、同社を解体させる可能性を検討すべき」との見解を示したというのだ。

「独占の弊害」と「新技術の便益」

この企画は週刊『夏野総研』とのコラボレーションで運営しています

検索、メールサービス、広告プラットフォームなど、グーグルの独占的な地位は強力。特に欧州ではグーグルのシェアが高い国が多い。しかし、一方ではこうした強力なサービスから得られる利益を元手に、優秀な技術者たちを組織。ウェアラブルデバイス、ロボット、自動車の自動運転技術など、さまざまな最先端分野に取り組んでいる。それらは、私たちに大きな便益をもたらすものだ。

仮に分割されれば、グーグルの企業の活力そのものが削がれる可能性が高い。夏野氏は「資本主義経済そのものがチャレンジされている。これからのコード(企業のあるべき倫理体系)を探っていく必要がある」と問題を提起する。果たして、納得感のある落としどころは見つかるだろうか。

夏野 剛 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授

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なつの・たけし

早稲田大学政治経済学部卒業、東京ガス入社。米ペンシルベニア大学経営大学院ウォートンスクール卒(経営学修士)。NTTドコモでiモードの立ち上げに参画。執行役員マルチメディアサービス部長を務め、08年に退社。現在は慶應義塾大学政策メディア研究科特別招聘教授のほか、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、DLE、GREEの取締役を兼任。経産省所轄の未踏IT人材発掘・育成事業の統括プロジェクトマネージャー現任。ダボス会議で知られるWorld Economic Forum の“Global Agenda Council”メンバーでもある。


 

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