初公開!山手線29駅「真の実力」ランキング 乗り換え客も加味すると、別の姿が見える

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乗降客数と乗り換え客数とを合わせた「総合ランキング」では、新宿が1位、以下、池袋、東京と続いた。先述の田端駅が総合でも11位と、上野駅(12位)をも上回っているのは、意外に思われるであろう。

確かに、上野駅は1991年6月20日に東北新幹線東京-上野間の開業でターミナルとしての機能の一部を失ってから利用客数の面では長期低落にある。

とはいえ、この駅での山手線・京浜東北線の電車と宇都宮線(東北線)、高崎線、常磐線の電車との乗り換え客数は、統計上はすべて東北線の通過人員として扱われるため、上野駅のランキングは低い位置にあると言えるであろう。

ちなみに、東北線の通過人員は1日当たり129万670人だ。ただし、来る2015年春に予定されている上野東京ラインの開業により、上野駅での乗り換え客数は大幅に減ると予想される。

なお、新宿駅は乗降客数と総合とで1位ながら、乗り換え客数ランキングでは3位とやや振るわなかった。

しかし、異なる鉄道会社間での乗り換えの組み合わせが『都市交通年報』上で24通りと、29駅中で最も多いことを考慮すると、実質的には全部門で1位であるのかもしれない。

今回は山手線の29駅だけを抽出したが、首都圏の他の路線の駅、あるいは中京圏、京阪神圏の主要駅を取り上げると、また興味深い結果が得られるであろう。機会をあらためて紹介したい。

梅原 淳 鉄道ジャーナリスト

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うめはら じゅん / Jun Umehara

1965年生まれ。三井銀行(現・三井住友銀行)、月刊『鉄道ファン』編集部などを経て、2000年に独立。著書多数。

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