自民総裁選、若手議員・党風一新の会が変える構図 当選3回以下の7割、90人が入会する一大勢力に
その中で注目されているのが、今回の仕掛け人となった福田氏の存在だ。福田氏は若手議員の中では年長の54歳。「将来の首相」ともてはやされている小泉進次郎環境相と組み、「小泉進次郎内閣が誕生すれば福田官房長官」と言われてきた人物だ。
しかし、小泉氏より一回り以上年長の福田氏の政治的家系は、小泉氏をはるかに凌駕する。祖父は福田赳夫、父は福田康夫といずれも元首相で、掛け値なしの政界サラブレッドだ。
福田氏とともに党風一新の会の顔となる津島淳氏も、父親の津島雄二・元厚生相が津島派(現竹下派)会長を務めた政治エリートの家系だ。しかも、歴史に残る小説家・太宰治(本名は津島修治)の孫という華麗な経歴も持つ。
「党風一新の会」の由来とは
ネット上で「どっちもゴリゴリの世襲議員」との書き込みが目立つように、それぞれが大派閥の細田、竹下両派のプリンス的存在でもある。他の若手と比べて選挙地盤も安定しているとみられるだけに、「それが反乱軍のリーダー」ということにも注目が集まる。
福田氏が名付け親とされる「党風一新の会」のネーミングも、政治の歴史をひもとくとなかなか意味深い。福田氏の祖父の赳夫氏が、池田勇人内閣の時に、岸信介元首相を後見役として反池田で党改革を求める「党風刷新連盟」を立ち上げているからだ。
名前もよく似たこの連盟は、その後の福田派結成につながり、それが首相を輩出し続けた現在の最大派閥・細田派の源流となった。このため「祖父と同じ行動はやはりDNA」(自民長老)との指摘もある。
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