6歳でもわかる「借金」親が教えるべきお金の事 「借金」の怖さを子どもに説明できますか?

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法令を遵守した「悪徳」ではない借金でも、生活苦の中でお金を借りて返せずに、破綻に追い込まれていく人は増えています。今はカードで手軽にお金を借りることができるので、少し困っても「キャッシングすればいいや」と思いがち。けれど、これも場合によっては、とんでもなく高い利息を払うことになります。

例えば、キャッシング枠が30万円の人が、金利18%で枠いっぱいに30万円のお金を借りたとします。リボ払いで元金を毎月1万円ずつ返していくと30回で返済は終わりますが、この間支払う金利は6万8778円。30万円借りただけなのに、払い終えるまでになんと約7万円の利息を支払わなくてはならないのです。

しかも、借り入れが1回で終わらない人も多い。リボ払いだと、返済しながらでも常に枠いっぱいのお金が借りられるからです。前述の30万円を元金1万円ずつ1年返済すれば元金は12万円減ります。すると、返済したぶんの12万円分までは新たに借金ができますから、ここで12万円借りると、返済までの利息はさらに増え、返済し終わるまでに最終的に利息だけで11万2266円を返さなくてはならなくなります。

これだけで終わればいいですが、さらに返済中にお金を借りると、利息もますます増えていくことになり、どんなに払ってもお金を払い終えない「万年借金」に陥ることになります。

お金を借りたら返さなくてはいけない。返せないと、恐ろしい結果になる可能性があることに変わりはありません。そのことを、子どもにもしっかり教えておかなくてはいけません。ではどのように教えればいいのでしょうか? ケーススタディを見ていきましょう。

借金の怖さは身を以て学ばせる

6歳の直也くんは、チョコレートが大好物。幼稚園から帰ってくると、必ずお母さんに「チョコちょうだい」と一口大のチョコをもらいます。チョコは1日5個ずつもらえることになっているからです。

ある日直也くんは、チョコが5個ではちょっと物足りないらしく、「あと1個ちょうだい」とお母さんにねだりました。そんな時にはお母さんは、「今日の分はもうあげたでしょう。だからまた明日」と言うようにしています。決まった数だけしかもらえないということを教えたかったからです。

そんなある日、その日に限ってよっぽどチョコが欲しかったのか、直也くんがこんなことを言いました。

「明日の分を1個、今日ちょうだい。明日は4個でいいから」

そう言うのでお母さんは、チョコを1個余計にあげた次の日は、1個減らすことにしました。ところが次の日に4個あげると、昨日1個増やしたのを忘れてしまったのか、また5個欲しがります。

そこでお母さんはカレンダーに、その日にあげたチョコの数を●印で書くことにしました。そのカレンダーを見せながら、「ほら、昨日1個多くあげたから、今日は1個減らすよ」と説明しました。

それを見せられて納得したのか、直也くんは4個で我慢しました。カレンダーに●印をつけていくのはいいのですが、しばらくすると、チョコが6個の日が何度か続きました。

「ナオちゃん、これだとチョコを1個も食べられない日がでてくるよ」お母さんが言うと、「いいよ、その時は我慢するから」と、直也くん。

お母さんはちょっと悩みました。この子には、どんどん「前借り」をしてしまう悪い習慣がついてしまったのではないかと。そこで、ルールを変えました。チョコレートを「前借り」したら、そのぶんに利子をつけようと考えたのです。

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