欧州中銀がコロナ対応政策見直すか否かを判断へ 見通し割れ債券買取の縮小開始は来年1月説も

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欧州中央銀行(ECB)は9日に開く政策委員会で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)がユーロ圏経済を引き続き脅かす状況で、コロナ危機に対応する「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」(総額1兆8500億ユーロ=約241兆円)の債券買い入れペースを落とすべきかどうか判断する見通しだ。

デルタ変異株の脅威が、今年採用した「著しく加速した」買い入れペースの維持を政策担当者に促すこともあり得るが、 ワクチン接種率の向上と着実な景気回復、約10年ぶりの高い消費者物価上昇率は、速度を落とすギアチェンジの検討を正当化する理由になる。

ECBはこれまで、消費者物価の急上昇は一時的と考えて間違いないと主張し、ラガルド総裁を中心とする政策委メンバーがPEPPによる資金供給フローを継続することを可能にしてきた。

8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を大きく下回り、米連邦準備制度が資産購入のテーパリング(段階的縮小)開始を今月検討する公算は小さくなったが、それでも11月か12月に検討が行われる見通しだ。

ユーロ圏の8月の消費者物価指数は前年同月比3%上昇し、ECBの物価目標(2%)を大きく上回る約10年ぶりの上昇率となった。

消費者物価の見通しについてECBの政策委メンバーの意見はさらに割れている。ギリシャ銀行(中銀)のストゥルナラス総裁は先週ブルームバーグに対し、インフレ高進に当局は過剰に反応すべきでないとの見解を示した。

ECBの性急な引き締め、「大きな過ち」-正常化を急ぐなと欧州委員

これに対し、オランダ中銀のクノット総裁は、コロナがインフレに及ぼすダメージを抑制するというPEPPの目的はほぼ達成されたとの立場を取り、PEPPが予定通り来年3月に終了した後は、金融刺激へのより限定的なアプローチを支持している。

ブルームバーグ・エコノミクスのシニア・ユーロ圏エコノミスト、デービッド・パウエルらは「ECBによって最も易しい選択肢は、年末まで『著しく加速したペース』でのPEPPの債券購入を継続することだろう。中銀は来年1月にテーパリングを開始する可能性がある」と指摘した。

 

  

What Bloomberg Economics Says:

“The easiest option for the ECB would be to keep buying bonds through PEPP at a ‘significantly higher pace’ until the end of the year. The central bank could begin tapering in January."

--David Powell and Maeva Cousin. For full analysis, click here

 

原題:ECB Dares to Ask If Crisis Stimulus Can Be Pared Back: Eco Week(抜粋)

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著者:Craig Stirling

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