【産業天気図・重電】円高や欧州懸念が後半の不安材料、下期以降は「曇り」に後退
10年4月~9月 | 10年10月~11年3月 |
重電大手3社の景況感は、2010年9月まで「晴れ」だが、10月以降の後半は「曇り」に一段後退しそうだ。円高などを受け回復の足取りはやや頼りなく、後半の業績改善はコスト削減に依存しそう。欧州財政危機の拡大も懸念材料だ。
日立製作所<6501>の今11年3月期は、絶好調のHDD事業などデバイス関連が大きく利益を増やすほか、前々期に大赤字、前期も若干の赤字だった車載関連と民生機器がリストラ効果などで黒字化する。
グループ会社では日立建機<6305>、日立金属<5486>、日立化成工業<4217>が収益を拡大、日立電線<5812>、半導体製造装置が好調に転じた日立ハイテクノロジーズ<8036>と日立国際電気<6756>が黒字化などにより、大幅に収益は改善。
ただ持分法のルネサスエレクトロニクス(ルネサステクノロジとNECエレクトロニクスの統合会社)<6723>は半導体市況の回復で営業利益ベースは改善するが、事業再構築による特損で最終赤字の公算で、持分法投資損益の改善幅は限られる。しかしこれらの要素を踏まえても、前期の上場子会社5社TOBなどで税負担が軽減した効果もあって、日立製作所は5期ぶりの最終黒字が果たせそうだ。