「食べる」より「出す」ことが何より快感になった日 完璧にスッキリを実現するたった2つの習慣

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となれば、それを一度でも体験してしまったらデスよ、人生が変わらざるをえない。端的に言って、この快感を得るならば何でもしようという気になってくる。

ウンコに人生を振り回される?

となれば当然、いそいそと快便のための食事に勤しむことになる。

私がたどり着いた「最強の快便食」は、玄米だ。玄米の排便パワーというのは本当に信じられないほど強力である。健康に関心を持つ少なからぬ人が玄米食にハマるのは、これが一番大きな理由なんじゃないかと私は密かに思っている。何しろこのスッキリ体験をしてしまうと、それ以外の時がどうしても「物足りなく」思えてしまうのだ。

ということで、1日に1度は、まるでお守りのように玄米を食べずにはいられない。ここに糠漬けやら味噌汁やらの発酵食を加えたら完璧である。

そして、この「完璧な食事」の美味しさといったらないのだ。

それは、ただの舌の上での美味しさなんてもんじゃない。それが体の中を通り抜けていくことで、ピカピカになった内臓が喜びのコーラスを合唱するのが聞こえてくるかのようで、一口食べるたびに本当に心の底から、しみじみと「おいしい……」と思わずにはいられない。

そんな、体の中をさわやかな風が通り抜けていくような美味しさを体験してしまったら、これ以外に食べたいものなんてなくなってしまう。

きらびやかなご馳走の類などは、どうも腸の内側に何かがべったりとくっついてしまう気がして、用心する気持ちの方が強くなってくる。つまりはちっとも惹きつけられない。というわけで、高級レストランなどでの食事のお誘いなどあれば、真っ青になって断る今日この頃である。

いやもうここまでくると、お金に人生を振り回されなくなったのはいいが、今度はウンコに人生を振り回されていると言っても過言ではないですね。

人生を「排便」がリードするようになっていく。生きていくためにスッキリ排便を目指していたはずが、いつの間にかスッキリ排便するために生きているといった感じになってくるのである。

どうですかみなさん。どうぞ笑ってやってください。もちろん自分が一番笑っております。人生はどこでどう転ぶかわからない。

しかしですね、案外これが正解なんじゃないのかなと。

何しろ人生で何一つうまくいくことがなかったとしても、毎朝の快便という人生ベスト3の快感だけは日々必ず手に入れることができるのだ。そのことがわが人生をどれほど明るくしているか。お金に振り回されるより100倍効率的であることは間違いない。

うん、これでいいのだ。

稲垣 えみ子 フリーランサー

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いながき えみこ / Emiko Inagaki

1965年生まれ。一橋大を卒業後、朝日新聞社に入社し、大阪社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員をつとめる。東日本大震災を機に始めた超節電生活などを綴ったアフロヘアーの写真入りコラムが注目を集め、「報道ステーション」「情熱大陸」などのテレビ番組に出演するが、2016年に50歳で退社。以後は築50年のワンルームマンションで、夫なし・冷蔵庫なし・定職なしの「楽しく閉じていく人生」を追求中。著書に『魂の退社』『人生はどこでもドア』(以上、東洋経済新報社)「もうレシピ本はいらない」(マガジンハウス)など。

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