ボーナス払えず苦悶する社長を救った発想の転換 平社員が知らない「社長の悩み」の内実とは?
感情コンサルにお越しになる社長さんのなかには、東田社長のように、「倒産の危機まではいかないけれど、なかなか利益が出ない。社員に、なんとか給料は出しているけれど、ボーナスは出せない」という社長さんが結構おられます。さらに、2020年からは、新型コロナウイルスの影響で業績が振るわず、そういうギリギリの線でやっている社長さんが増えています。
中小企業の社長さんの場合、社員の給料を支払うために、自腹を切ってお金を出すこともよくある話です。その場合は、「オレが自腹まで切って頑張っているのに!」って、社員に対して、愛ではなく、怒りの感情を抱いてしまう社長さんもおられます。
あくまで私の印象ですが、東田社長のように、自責型の社長さんは、2代目社長とか、守り型の方に多く、他責型の社長さんは、創業社長でガンガン業績を伸ばしに行く攻め型の方に多い気がします。自分でガンガン仕事を進められるので、社員の動きがスローに感じ、何も考えていないように見えるのかもしれませんね。
「東田社長は、社員と良好な関係を築いていたので、本音を伝えやすかったのでは?」と思われる方もいると思います。
同じようなケースで、その社長さんと社員の関係があまりよくない場合、私は、「社員に本音を伝えてもいいし、伝えなくてもいい」とお伝えしています。
問題をテーブルに上げて、答えは本人に選んでいただくのですね。「絶対、社員に本音を伝えたくない」って思いながら伝えても、うまくいきませんから。
ただ、「絶対、社員に本音を伝えたくない」と思う理由が、社長さん特有のプライドによるものなら、まず、そのプライドを外すようにします。
「プライドを外す」というステップを踏んでから、「社員に本音を伝えてみては?」と提案をしています。
「本音の告白」その後
東田社長の後日談です。
感情コンサルを行って半年くらい経ってからいただいたメールによると、どうやら、幹部たちが、「社長のつらさと感謝の思い」を社員全員に伝えてくれたようで、社員から新しい事業の提案があり、それが少しずつ芽を出しはじめているとのこと。
「これも、自分の正直な思いを、社員に伝えることができたおかげです」と、感謝のメッセージをいただきました。
東田社長の思いに社員が応えてくれたのは、「東田社長の社員たちへの愛」に気がついた社員たちが、感動したからだと思います。
社長にとって、社員は「写し鏡」のようなもの。
とはいえ、どんなに社員のことを気にかけ、愛していても、それを伝えなければ相手にはわかりません。
社員のことを考えて、悩んでいる社長さん。社員に「愛の告白」をしてみることをお勧めします。
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