【産業天気図・工作機械】アジア活況もユーロ安武器にドイツ勢が壁、終始「曇り」止まりか

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 ただ懸念材料は欧州。欧州諸国の財政危機による需要失速ばかりではない。足元のユーロ安を受け、中国市場ではドイツ勢との価格競争が激しさを増しているという。

牧野二郎・副会長は「(日本製品より価格が)1~2割安く、特に自動車関連で厳しい戦いになっている」と指摘する。ハイエンド分野でしのぎを削ってきた欧州向けの競争も当然厳しく、主要企業は採算を度外視した輸出に踏み切るべきか、厳しい判断を迫られているようだ。

年間受注6000億円前後を前提にしたと見られる日本勢各社の今期の収益大幅改善予想には、もう一段の上振れ余地があるのは確か。

「会社四季報」(夏号)は、牧野フライス製作所<6135>やツガミ<6101>、浜井産業<6131>などについて会社計画から増額した独自予想を示している。さらに広範な業界企業が業績を上振れさせられるか。それとも、中国など新興国市場で進むドイツ勢との競合で、「利益なき繁忙」に陥るのか。「曇り空」の行方は不透明だ。
(内田 史信=東洋経済オンライン)

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