産業リサーチ【ゼネコン】 経営不振組の再編から、大手・健全組が動き真の再編へ進む

建設業界は土木中心の公共工事と建築中心の民間工事からなる。2002年度の建設投資額は公共事業費の削減と民間設備投資の低迷で、前年比7%減の約56兆円に後退。2003年度はさらに4.5%減の約54兆円になる見通しだ。
 基本的に、スーパーゼネコンと言われる大手が勝ち組。ただし大手銀行と同様、自己資本に占める繰延税金資産が膨らんでいるのがやや懸念材料だ。慣習の違いから外資ゼネコンが日本に参入する余地は小さく、当面、序列は大きく動かないだろう。
 準大手でも財務健全ゼネコンは勝ち組だが、受注競争激化で建築工事の採算が悪化しているのが痛い。建築に特化した一部ゼネコンでは収益が拡大しているケースもあるが、少数派。
 ジリ貧企業は有利子負債の額が大きく、工事採算が悪化しているゼネコンだ。産業再生機構の基準にある「有利子負債キャッシュフロー倍率が10倍を上回る」、もしくは「キャッシュフローがマイナス」の企業だ。逆にいえば、前者の倍率が10倍以内という基準をいち早く達成できるかが、中長期的な競争力を測る重要なポイントになる。
 ゼネコンは合併すると公共工事の入札機会が減るため、自発的な再編は起こりにくかった。近年の再編も、銀行の不良債権処理に絡み、かつて債務免除を受けた経営不振ゼネコンが、同じメインバンク系列のゼネコンと半ば強制的に経営統合させられるパターンが多かった。今年に入ってからは、ハザマと安藤建設の業務・資本提携、熊谷組と飛島建設の経営統合が発表され、4月には三井建設と住友建設が統合した三井住友建設が発足した。しかし、一方で、健全ゼネコンが将来の生き残りのために自ら積極的に業務・資本提携するケースも増えてきている。今後は財務の健全性で定評のある戸田建設と西松建設の提携の進展などが注目される。
 今後予想される再編図は二つ。【1】金融支援ゼネコンの経営統合の結果、規模ではスーパーゼネコンに準ずる企業連合ができた場合、他の準大手も資本提携から経営統合へとかじを切る可能性。【2】それを受けて、下から追撃を受ける形のスーパーゼネコンが他社からの事業譲渡などを含め、本格的な再編に突入する。
 5~10年単位で見れば、欧州系を中心に外資の一定規模の市場参入も予想されるので、現在の発注方式(一般競争入札や官公需法、経営事項審査)などがグローバルスタンダードに近づき改められる可能性もある。そのときに活躍しているゼネコンは、いまのスーパー5社だけとは限らないだろう。

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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