100年時代の健康戦略:「文明病」に負けない人生 ジーニアスライフで脳と体、環境の良い関係を
気温や照明から、キッチン用品や家具に使われる化学物質までが、私たちの健康や感情に大きな影響を与えているのだ。だが、おそらくあなたは、そのことに気づいてもいない。
つまり、現代生活は私たちにとって決していいものではない。また、からだの防御システムの戦闘能力にも限度がある。なによりもまず、私たちを太らせ、病気にしているのは、私たち自身が摂取する食べ物なのだ。
現代のアメリカにおいて、がんと診断される人の原因の40%は体重オーバーか肥満にあり、メタボのお腹は脳の老化を早める。医学雑誌『ランセット(The Lancet)』に掲載された論文によれば、今日、食生活が原因で命を落とす人は、世界中で5人にひとりを数えるという。
だが、問題は食べ物だけではない。煌々と照らす夜の明かりは、体内時計を混乱させる。
きれいな空気、太陽の光(とビタミンD)、自然との触れ合いがもたらす恩恵も失われている。
からだを動かす時間は激減し、車や電車で通勤し、テレビの前に座って過ごす時間が増えている。
家のなかは安全性の怪しい化学物質であふれ、体内に取り込まれて大暴れしている。
ストレスの多い毎日では、ぐっすり眠ることも難しい。
積極的に健康を心がけよう
これらが一緒になって私たちのからだを攻撃する。私たちは不安や抑うつに陥り、体調がすぐれない。
さらに悪いことに、いつも疲れているのが普通だと思うようになっている。慢性的なストレス、不安、抑うつ、注意散漫は当たり前。腹部に膨満感があり、体重が増え、からだがだるくて、なかなかやる気が起きない。だが、それは本来の状態ではない。
いいニュースがある。私たちを病気にする環境要因の多くを、私たち自身がコントロールできるのだ。そう、健康は取り戻せる。
生活習慣を改め、私たちの祖先が進化してきたときのような居住環境につくり直せばいいのだ。それが私の言う「ジーニアス・ライフ」だ。これは、誰にでも手に入れられる。
アメリカ合衆国大統領だったジョン・F・ケネディは、こんな言葉を残している。「屋根は、太陽が照っているうちに修理しておかなければならない」。
私がショックを受けたのは、認知症は、症状が現れるすでに数十年も前にはじまっていることだ。パーキンソン病もそうだ。最初の症状が出たときには、関係のある脳細胞の半数が死んでしまっている。
私たちはある日とつぜん、がんや心臓病などの恐ろしい病気にかかるわけではない。それらの病気に打ち勝つためには、積極的に健康を心がけなければならない。
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