レオパレス創業者が設立「MDI」不正融資の手口 預金残高を水増し、金融機関から融資引き出す

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

4日間のうちに資金のキャッチボールが行われ、4000万円の残高証明を2通作成できた。オーナーによると、この残高証明書をエビデンスとしてローンを申し込んでいる銀行に提出したことで、融資を引き出すことに成功したという。

MDIによる残高操作はこのケースに限らない。「◯◯銀行から、融資を進めるにはエビデンスとして◯◯◯◯万円が必要と言われています。振り込みのご承認をお願いします」。MDIの社内メールによると、金融機関からの融資を引き出そうと、残高操作をするために、経営幹部に資金の振り込みの承認を求めることが日常的に行われていた。

「前払い家賃」で資産残高を水増し

前述のMDIの元社員も同様の証言をする。「アパート購入や建築を請け負う時、金融資産が足りずローンが下りない投資家に対して現金を振り込み、残高を操作していた。MDIで営業していた社員ならば全員が知っているはずだ」。

元社員によると、2016年には預金残高の水増しとも取れる行為を一部の金融機関が問題視。MDIの案件については融資を行わないと言い渡されたという。

しかし、金融機関に問題視された以降も、「前払い家賃」という手法を使って投資家の資産残高を水増しする手法を続けた。

前払い家賃とは、完成した賃貸アパートやマンションをオーナーに引き渡す際に、本来はMDIからオーナーに毎月支払う借り上げ家賃を数年分まとめて払う仕組みのことだ。まとまった現金がオーナーの手元に入るため、同業他社にないサービスとしてオーナーに喜ばれていた。あらかじめ銀行にも伝えておけば問題のない取引だったが、残高操作として流用されていた。

次ページ金融機関の取引停止が相次ぐ
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事