「眼のトレーニング」が仕事の作業効率を上げる訳 日本代表のアスリートも実践している

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ここまで、

 眼の筋肉のストレッチをすることで眼精疲労や体の歪みが緩和され、姿勢の改善とともに体のバランスが良くなる
 一歩引いて広くぼやっと見ることを習慣化することで、緊張や不安に対処しやすくなる

といったことを聞いてきた。

では、こうしたトレーニングは、ビジネスパーソンの業務にも役に立つのだろうか。

松島氏に、作業効率を上げたい、ミスを減らしたいと思うときに、どんなトレーニングがよいか聞いたところ、「それは集中力を高めるトレーニングではない」と意外な返事が返ってきた。

必要なのは集中ではなく…

一般に人は集中しようと思うと、対象に近づいてジッと見つめようとする。だがアスリートにとって大切なのはジッと見る力ではなく、一歩引いて広く見る習慣が大切なのだ。ビジネスパーソンにとっては、細かいところに注目することも大事であるが、一歩引いて広く全体を見る力も大切なのである。

たとえば書類を細かく何度も見直しているのにミスがなくならないのであれば、書類から眼を遠ざけて、全体を見るようにすると、スムーズに眼球運動ができていれば流れの中で違和感を見つけることができるようになる。見ようと思って一点集中するほど見るべきところが見えなくなっているということも多い。眼には映っていても脳が認識していないと見えたことにならないからだ

ビジョントレーニングは元来、眼から入った情報を脳がスムーズに処理できるようにするためのトレーニングである。それを発展させたメンタルビジョントレーニングはメンタルを元気にするトレーニングでもある。メンタルビジョントレーニングを実践することで、作業効率を上げたり、ミスを減らせたりできるだけでなく、広く周りを見る力やストレス対処など社会生活に欠かせない力もついていくというわけだ。

メンタルが不調な人にとっては、作業効率が上がることで時間的余裕ができることも大きい。その時間をストレス処理に充てることで、メンタルの不調から早く回復できるからだ。

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