「多様性と調和」の五輪が今の日本を浮き彫りに 大坂選手の聖火リレー起用と敗戦への批判が象徴
両親の人種が異なるアスリートが日本で受け入れられた例もある。2004年アテネ大会の陸上男子ハンマー投げで金メダルを獲得し、ヒーローとなった室伏広治スポーツ庁長官は父親が日本人、母親がルーマニア人だ。
7月29日に男子柔道100キロ級で金メダルを獲得した東京出身のウルフ・アロン選手は母親が日本人、父親が米国人。決勝戦で勝利した後に記者団に対し、「東京の下町で日本人として育ってきたので、そこまでそういう部分を考えてやってきたわけではない」とした上で、「日本代表として金メダルを取ったということがまず一番だ」と語った。
社会が前進するのに何が必要か考える上で良い機会に
あと1週間で閉幕する東京五輪が、多様性促進の大会になるとの願いがどの程度かなうのかはまだ分からない。
東京五輪・パラリンピック組織委員会は大会前に相次ぐスキャンダルに見舞われた。開幕の数カ月前に女性蔑視とも受け取れる発言で森喜朗氏が会長を辞任。開幕の直前には開会式の楽曲制作を担当していた小山田圭吾氏が学生時代に障害のある生徒らに対し、いじめを行っていたことを巡り辞任した。
それでもテニスのダニエル選手は、五輪が人々の態度に持続的な変化をもたらす機会になると期待している。「最終的には、社会が前進するのに何が必要か考える上で良い機会になるだろう」と語った。
原題:Olympic Diversity Push Highlights Japan’s Struggles With Change(抜粋)
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著者:竹生悠子、森来実
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