日産、新興国取りこぼしをカバーできた理由 SUV「ローグ」や小型セダンが売れた国は…

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微減の日本市場を補ったのは米国。SUV「ローグ」(上写真)などが快走した

日産自動車の2014年4~6月期(2015年3月期第1四半期)の業績は、売上高が前年同期比10.4%増の2兆4656億円、営業利益が13.4%増の1226億円、純利益が36.7%増の1121億円と順調に推移した。グローバルでの新車販売台数は124万台と、5.6%伸びたことが寄与した。

地域別に見ると、北米が好調に推移。欧州も回復してきたほか、中国も順調だった。その反面、日本が弱含み、中国を除くアジア新興国や南米といった新興国が低調だった。

牽引したのはドル箱の米国

最大の牽引車となったのは米国だ。14.1%増の35万台の販売を記録した。新型のSUV「ローグ(日本名:エクストレイル)」、小型セダン「セントラ(日本名:シルフィ)」などが好調だった。

田川丈二執行役員は「米国全体の自動車需要が好調だったことに加え、昨年11月から取り組んできたディーラーに対する販促プログラムの改革が効を奏している」と説明する。従来は1~3カ月単位の単発のキャンペーンで販売台数の目標を設定し報奨金を支払っていたものを、年間販売計画を設定し、その達成度をチェックしながら報奨金を支払う方式に変えたという。これによりディーラーが計画的に販売を増やしていく動機づけが高まった。

欧州も13.3%増の17万台と伸びた。西欧での自動車需要が底打ちしたことや新型SUV「キャッシュカイ」の投入が貢献。また、ルノー・日産グループ傘下のロシア・アフトワズでの現地生産を開始し、ロシアでの販売が本格化した。ただ、ロシア市場については田川執行役員は、「全体需要の落ち込みは厳しく、進捗は計画を下回っている」と、先行きを不安視する。

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