日産、新興国取りこぼしをカバーできた理由 SUV「ローグ」や小型セダンが売れた国は…

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中国は28万台とほぼ横ばいだったが、売却した中大型商用車事業を除くと21.1%と好調だった。昨年は尖閣問題の影響があり、伸び率をカサ上げしている面はあるものの、主力セダンの「シルフィ」「ティアナ」などが増加、現地ブランドの「ヴェヌーシア」も伸びている。中国事業は1~3月が第1四半期連結決算に取り込まれているが、続く4~6月期も全体需要を若干上回るペースで伸びている。田川執行役員は「足元は販売競争が過熱しており、市中在庫が若干過剰になっている。調整に入っているが、収益計画は達成する」と自信を見せる。

一方、日本は13万台と微減だった。軽自動車の「デイズ」シリーズが貢献したが、増税前駆け込み需要の反動減があった。年間計画では10%以上の販売減を想定しており、それに比べれば落ち込みは軽微なようにも見える。が、「競争は激化しており、足元の受注状況を見ると、今後の落ち込みが少なく済むとみるのは早計」(田川執行役員)と言う。

通期見通しは据え置き

中国を除くアジアや中南米等その他新興国は、20万台強とほぼ横ばいにとどまった。新工場の立ち上げや、新ブランド「ダットサン」など新車の投入はあったものの、経済の落ち込みによる自動車需要の縮小が響いた。日産では、メキシコ、ブラジル、インドネシア、タイなどで相次いで工場を新増設しており、これらの寄与で通期では2割近い伸びを見込んでいるが、若干伸びは下回りそうだ。

日産の当初の計画に対し、おおむね先進国・中国では超過達成ぎみ、逆に新興国では若干未達といった状況である。ただ、全体としてはほぼ計画通りとして、増収増益の期初見通しは据え置いた。

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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