10分間隔なのに20分待ち?列車ダイヤに潜む「穴」 等間隔でも「乗り遅れたらヤバい」列車がある

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これと似た例が、常磐線の土浦―藤代間の各駅から日暮里以南へ行く場合だ。土浦駅は毎時00・14・30・45分(一部時間帯はやや異なる)に上野方面行きの列車があり、このうち00分発が特別快速、このほかは快速(取手まで普通)だ。特快は上野まで58分で結び、快速より10分以上早く着く。

だが、00分発特快の前の45分発快速は途中駅での特急通過待ちなどで足が遅い列車のため、北千住で後続の特快に追い抜かれてしまう。つまり30分発の快速を逃すと、日暮里以南へは実質的に次の特快まで30分待ちになるのと同じだ。

さらに、西武の所沢駅と違って土浦駅の場合は特急が毎時25分発なので、30分発の快速に乗り遅れても特急料金を払えば間に合う、といったことはない。ダイヤの事情はあるのだろうが、こういうところでJRの商売の下手さを感じる次第である。

ダイヤの「穴」が発生しやすい条件は?

ダイヤホールが発生しやすい路線には条件がある。同じ線路にダイヤの周期が違う路線が乗り入れている場合だ。こういった駅はJR東日本の線区でよく見つかる。例えば京葉線・武蔵野線の越中島駅、潮見駅だ。ここは各駅停車のみの停車駅で、京葉線は概ね15分おきだが、武蔵野線は20分おきだ。

平日の日中、東京から越中島・潮見へ行ける列車だけの時刻を示すと以下のようになる。

06分発:武蔵野線 府中本町行き
09分発:京葉線 海浜幕張行き
<この間14分待ち>
23分発:京葉線 海浜幕張行き
26分発:武蔵野線 府中本町行き
<この間14分待ち>
40分発:京葉線 蘇我行き
46分発:武蔵野線 府中本町行き
51分発:京葉線 海浜幕張行き
<この後06分発まで15分待ち>

毎時7本、平均すれば8分35秒おきだが、平日は3分後に次の列車が出ることもあれば、1時間に3回も15分前後間隔が開き、毎時09・26・51分発を逃すと泣きを見る。土休日は幾分かマシだが、やはり12〜13分待ちになる場合がある。

また、平日の京葉線で海浜幕張より先の各駅へ行く場合は毎時4本ある蘇我行きを利用することになるが、このうち1本だけが各駅停車だ。

02分発:快速 蘇我行き
18分発:快速 蘇我行き
33分発:快速 蘇我行き
40分発:各駅停車 蘇我行き
<この後02分発快速まで22分待ち>

しかも、ほかの3本は15~16分間隔で揃っているのに、この各駅停車だけは1本前の快速の7分後に出る。これは海浜幕張―蘇我間の列車を15分おきに揃えるためにこのようになっているのだが、つまり40分の各駅停車蘇我行きを逃すと22分も待たなければならないのだ。

次ページ埼京線・湘南新宿ラインにも「罠」が
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事