10分間隔なのに20分待ち?列車ダイヤに潜む「穴」 等間隔でも「乗り遅れたらヤバい」列車がある
埼京線・湘南新宿ラインで池袋―渋谷間などを使うときにも罠がある。埼京線は毎時9本の運転だが、池袋―渋谷間で使えるのは新宿折り返しを除いた3本のみ。新宿始発の相鉄線直通列車に乗り継ぐという方法もあるが、新宿折り返しの埼京線とは同一ホーム乗り換えではないうえ、満足な乗り継ぎ時間が確保されていないことがほとんどだ。
となると、渋谷―池袋間で実質的に使えるのは(山手線を除けば)埼京線新木場行きと湘南新宿ラインの毎時7本。だが、ここで1時間に1度はダイヤホールが発生する。
01分発:埼京線 新木場行き
09分発:湘南新宿ライン 逗子行き
19分発:埼京線 新木場行き
23分発:湘南新宿ライン 平塚行き
<この間15分待ち>
38分発:湘南新宿ライン 逗子行き
43分発:埼京線 新木場行き
53分発:湘南新宿ライン特快 小田原行き
池袋毎時23分発の平塚行きは「乗り遅れたらヤバイ列車」だ。もちろん、待つより山手線に乗ったほうがいいだろうが、このタイミングの山手線はその前後の列車より混雑しやすい。
不均衡は混雑も招く?
また、渋谷→大宮方面だと毎時14・31・47分発を逃すとその後は15分前後待つことになる。池袋までなら山手線に乗ればいいが、その先へ行く人にとっては残念な話だ。
01分発:湘南新宿ライン 宇都宮行き
09分発:埼京線 川越行き
14分発:湘南新宿ライン 高崎行き
<この間15分待ち>
29分発:埼京線 川越行き
31分発:湘南新宿ライン 宇都宮行き
<この間13分待ち>
44分発:湘南新宿ライン 籠原行き
47分発:埼京線 川越行き
<01分発まで14分待ち>
なぜこのような不均等な間隔になるかというと、埼京線はダイヤが20分周期なのに対して、湘南新宿ラインは15分周期だからだ。つまり、両線の周期が同じになればこのような「穴」はなくなる可能性が高い。長時間列車を待つ人が減ればホームの混雑も緩和されるだろう。
今回は列車ダイヤの不均衡の例を「ダイヤホール」という形でご紹介した。そこまで気にしないという人もいるだろうが、ダイヤが不均衡だと一部の列車が集中的に混雑したり、駅ホームの混雑が悪化したりすることにも結び付きやすい。
このようなことが起きるのは、「路線ネットワーク全体のダイヤを統括してデザインする人がいないからではないか」という指摘もあり、専門家にも話を聞くとあながち間違いではないと筆者は感じた。この「専門家の考え」については機会を改めて記したい。
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