ドイツの自動車大手、フォルクスワーゲン(VW)は7月13日、中国の大手電池メーカー国軒高科(ゴーション・ハイテク)と三元系リチウムイオン電池の統一規格のセルを共同開発すると発表した。ドイツのニーダーザクセン州ザルツギッターに新工場を建設し、2025年に生産を開始する計画だ。
VWは2021年3月、将来に向けた電池の安定調達を確保するため、ヨーロッパで6カ所の電池工場を建設する構想を打ち出していた。この計画の2番目となるのが、ザルツギッター工場だ。
前日の7月12日、国軒高科はVWと戦略提携の覚書に調印した。同社が翌日開示した情報によれば、ザルツギッター工場は2社が共同建設し、ビジネスモデルも共同で策定するという。
国軒高科は初の指定サプライヤーに
具体的には、国軒高科とVWは原材料や機械設備などの共同調達や共同投資を検討する。長期間の一括購買契約や、資金調達の一元化などによって、原材料の調達とコストの安定化を図る。それとともに、ザルツギッター以外の両社の工場で必要な生産設備などの調達も一本化することで、シナジー効果を最大限に発揮することを目指す。
VWの統一規格の電池セルは角形で、(電池のコストに影響する)正極材には低価格のエントリーモデル向けはリン酸鉄系、中級モデル向けはマンガン酸系を用いる。2030年までに同社のEV(電気自動車)の8割に搭載する計画だ。
国軒高科によれば、今回発表した統一規格セルの共同開発はVWの中国事業のために行うもので、同社は競合他社に先駆けてこの契約を獲得した初の指定サプライヤーであるとしている。VWの中国統括会社も国軒高科と契約を結んだことを認め、中国で現地生産する車両に広く搭載する予定であると明らかにした。
(財新記者:鄭麗純)
※原文の配信は7月14日
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