中国の国有海運大手でコンテナ船世界3位の中遠海運控股(コスコ・シッピング・ホールディングス)は、7月15日、大型コンテナ船10隻を新造して船隊規模を拡充すると発表した。
同社の投資家向け情報開示によれば、新造するのは積載数1万4000TEU(20フィートコンテナ換算)のコンテナ船が6隻、同1万6000TEUが4隻で、造船所との契約総額は14億9600万ドル(約1648億3870万円)に達する。10隻が就航すれば、コスコの輸送力は約15万TEU増強される。
建造は同じ中国遠洋海運集団傘下の造船会社に発注し、1隻当たりの価格は1万4000TEU型が1億4600万ドル(約161億円)、1万6000TEU型が1億5500万ドル(約171億円)としている。なお、発注した10隻すべてが、(硫黄分を多く含む)一般的な船舶燃料に脱硫装置を組み合わせたエンジン技術を採用する。
フランスの海運調査会社、アルファライナーが7月15日に公表したデータによれば、コスコはコンテナ船世界最大手のA.P.モラー・マースクと2位のMSCに次ぐ301万8000TEUの輸送力を有している。ただし、4位のCMA CGMとの差はわずか3000TEUだ。
競合も新造の発注を急ぐ
コンテナ輸送業界では、(海上輸送力の需給逼迫を背景に)新造船の発注競争が加熱している。コスコは船隊規模の拡充を通じて、業界上位グループの一角としての地位を固めることが、(アジアと欧州、北米を結ぶ)東西航路の競争で優位に働くと説明している。
世界のライバルも輸送力の増強を急いでいる。A.P.モラー・マースクは、積載数1万5000TEUのコンテナ船6~12隻の建造について、韓国の造船大手の現代重工業と交渉中だ。
台湾の海運大手の長栄海運は、積載数2万4000TEUの超大型コンテナ船の建造を中国の国有造船大手の中国船舶集団(CSSC)に発注した。同社はさらに、新パナマックス型(訳注:2016年の拡張後のパナマ運河を通行できる最大サイズ)のコンテナ船20隻の建造契約を、韓国の造船大手のサムスン重工業と結んでいる。
(財新記者:賈天瓊)
※原文の配信は7月15日
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