太陽光発電に参入するパナソニックの勝算、後発でも自信満々のワケ
パナソニックは、15年度に太陽電池で世界トップスリー(現在は13位)入りを目標に掲げるものの、日本のような販売網があるわけではない。「海外も重要だが、当面は国内に重点を置く」(パナソニックの坂本俊弘副社長)とはいえ、成長には限界がある。
現状では、世界で戦っていくには力不足ともいえる。三洋の太陽電池は世界最高のエネルギー変換効率を持つ一方、特殊な製造プロセスが必要で、コスト競争力に弱みを抱える。
日本の屋根のような狭い場所で効率よく発電するには適するが、外国のメガソーラーのような広大な敷地に敷き詰める場合には競争力を欠く。世界首位の米ファーストソーラー、2位の中国サンテックなどはいずれも“安さ”を武器にしている。
パナソニックも手をこまぬいているわけではない。三洋と共同で、低コスト化を推し進めた次世代太陽電池の開発を表明し、12年度中の事業化を予定している。
はたして世界でも存在感を発揮できるのか、それとも国内中心の“ガラパゴス”にとどまるのか。挑戦は始まったばかりだ。
(西澤佑介 撮影:代 友尋 =週刊東洋経済2010年6月12日号)
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