太陽光発電に参入するパナソニックの勝算、後発でも自信満々のワケ
ついにダークホースが動き出した。
急成長する太陽光発電システム事業に、7月1日からパナソニックが本格参入、国内住宅用での販売を開始する。太陽電池を自社生産していないパナソニックだが、子会社の三洋電機から太陽電池セルを調達し、パナソニックブランドで売る。
現在の国内順位はシャープ、京セラに続く3位(三洋の2009年度シェアは2割)。これを12年度にはグループシェア35%まで引き上げて首位獲得を狙う。
5月末の製品発表会では「業界で圧倒的なプレゼンスを獲得できる」(パナソニック電工の井戸正弘・常務取締役)と後発組ながら自信満々。その裏付けとなるのはグループが有する強力な販売網だ。
全国に展開する約2・1万店の系列電器店に加えて、関係が深い13万店もの住設建材、電器工事店網を積極活用する方針だ。02年に参入したエコキュート(電気給湯器)の拡販でも、この営業力が威力を発揮した。瞬く間にダイキン工業やコロナなどの先発を抜き去り、今では国内シェア約3割の首位を堅持している。
「彼らの地域密着型の営業網は脅威」と、ある太陽電池の競合メーカー幹部は言う。折しも、施工ミスによる雨漏りなど、太陽光発電に関する消費者相談は増加傾向にある。消費者の信頼獲得の意味でも、パナソニックのブランド力と販売網は有効だろう。
低コスト化が課題
むしろ今後の課題は海外展開だ。国内需要の伸長がいわれるが、世界全体から見ると7%程度にすぎない。