発達障害でも「仕事ができる人・できない人」の差 成功のコツは「デキる人を丸パクリ」すること
F太:「やり方の解像度を上げる」=「曖昧な言葉を具体的にする」ということですね。具体的にするためのコツはありますか?
借金玉:まずは、こんなこと聞いてもいいのかと気後れせずに「教えてください」と聞くこと。どうしても聞けなかったら、1割くらいできたときにボツ覚悟で「この方向性で合っていますか?」と確認すること。1割程度なら間違っていても意外と怒られません。最悪なのは、締め切り寸前になって間違っていることが発覚して、「あなたの指示が悪かった」と開き直ること。
小鳥遊:それに近い経験をしたことがあります……。自分が止めてしまっていた仕事にまわりが気づきはじめて、「あの仕事ってどうなってるんだ?」とざわつき始めて、自分のせいですとどうしても言い出せなくて結局なかったことにしてしまいました。でも、そういうのってだいたいバレる。不安要素から逃げずにきちんと向き合うことは大切ですね。
ミスは隠すより「謝った」ほうがいい
借金玉:たとえ出さなきゃいけない書類を机の中で熟成させてしまったとしても、「申し訳ありませんでした!」と全力で謝れる人は助かります。とくに若い人は、そもそもそんなに重要な仕事は任されないので、「あいつはポカをするけどすぐに全力で謝ってくる」と思ってもらえれば、ミスを隠す人よりよっぽど安心感がある。
僕はできなかったですけどね。プライドや怒られたときの心理的負荷を考えるとどうしても謝れなかった。でも、プライドがあるからこそ、謝るなら「いま」より早いタイミングはありません。35歳になってやっと素直になれましたね。
小鳥遊:私は40歳でようやく。いまはすぐに「すみませんでした」と言います。
借金玉:発達障害の人は、たいてい人生の序盤で社会からバチバチたたかれて、素直さがグニャッと曲がってしまうんですよね。でも、どう考えてもほかの人よりポカをたくさんするんだから、素直に謝って許してもらったほうが絶対いい。
そういう意味では、自分が尊敬できる人と一緒に仕事をすることも大事。「申し訳ございません」と素直に言える相手かどうか。素直さは、僕たちがうまく生きる秘訣だと思います。
F太:僕は自営業なので、「休む」というのがすごく苦手。お二人はオンとオフをどうやって区切っていますか?
小鳥遊:私は、平日は会社勤めなので、朝礼や同僚とのコミュニケーションで仕事モードのスイッチがオンになります。退社すればスイッチはオフになる。ただ、本の執筆やコンサルなどの個人活動は土日に入れがち。そのときは楽しくて仕方ないんですが、出社退社のスイッチがないので過集中が続いてしまい、数時間後とか数日後にしっぺ返しがドーンときて動けなくなります。
借金玉:やりたいことを最優先でやってしまうと、やるべきことを残したまま動けなくなるという状態に陥ります。基本的には、やりたくないことでもタスクの優先度順に片づけていき、休むべきときは「休む決断」をすることも大事。最低でも月に1回は必ず休む。最近の僕はそれができていなくて、しっぺ返しが来ているんですが……。
F太:休む決断をすべきなのにできないときはどうしていますか?
借金玉:睡眠導入剤を飲んで、とにかく布団に入ります。ご飯はもうウーバーイーツにしよう、と決めて。
F太:要領よく生きようと考えると、つい自分をうまく動かす方法ばかりを探してしまいがちですが、「うまく動かさない習慣をいかに身につけるか」も重要ということですね。
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