スマートフォン向けのカメラモジュールなどを手がける中国の電子部品大手の欧菲光集団(オーフィルム)は7月12日、2021年上半期(1~6月期)の純利益が3200万~4800万元(約5億4464万~8億1696万円)になるとの業績予想を発表した。これは前年同期比約9割の大減益だ。
同社は4月に発表した2021年第1四半期(1~3月期)の決算で7720万元(約13億1394万円)の純利益を計上していた。今回発表した2021年上半期の業績予想からそれを差し引くと、第2四半期(4~6月期)は純損益が2920万~4520万元(約4億9698万~7億6930万円)の赤字に転落した計算になる。
オーフィルムの大幅な業績悪化の主因は、アメリカのアップルに供給していたカメラモジュールの受注を失ったことだ。アップル向けの売上高は、2020年には総売上高の3割にあたる約145億元(約2468億円)に上り、オーフィルムにとって最大の顧客だった。そのため、同社は株式市場では代表的な「アップル関連銘柄」として有名だった。
ところが、2020年7月にオーフィルムの子会社がアメリカ政府のエンティティーリスト(訳注:アメリカの安全保障や外交政策上の利益に反すると判断された企業等のリスト)に追加されたのをきっかけに、アップルとの取引関係が暗転した。
ファーウェイ向けの受注減も打撃に
2021年3月12日、アップルはオーフィルムに対して一方的に取引停止を通告。オーフィルムによれば、アップル向けの出荷は2021年3月末が最後となり、2021年第1四半期のアップル向け売上高は前年同期比27%減少、第2四半期にはゼロになった。
なお、オーフィルムの業績悪化には中国のスマホ大手、華為技術(ファーウェイ)からの受注減少も影響した。ファーウェイは2019年にはオーフィルムの最大顧客だった。しかし2020年9月以降、ファーウェイは(アメリカ政府の制裁により)半導体の調達が困難になり、スマホの出荷台数が激減。その余波がオーフィルムに及んだ格好だ。
(財新記者:屈慧)
※原文の配信は7月13日
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