鋼材価格が大幅上昇 原料高が産業界を襲う



「半期・25%」で痛み分け

こうした状況下、難航した鉄鋼と自動車の価格交渉。最大のネックは値幅より短期での価格改定だった。「鉄鋼側は初めから四半期で価格を決めようと臨んだはず。最近になって半年という妥協点が出てきた。いずれにしても、どちらかだけが大得とか大損するのはありえない」(商社幹部)。

相互に妥協点を探る中で行き着いたのが、半期で25%程度の価格上昇である。仮契約分の遡及修正も条件にしながら交渉が続いたもようだ。

鉄鋼各社は自動車大手に何度も通い、値上げ幅の正当性を説明してきた。一方で自動車側の言い分は「鉄板が上がっても自動車価格は上げられず、すべて企業努力で吸収している。鉄鋼メーカーも自助努力で吸収すべき」というものだった。このため互いに“痛み分け”の決着となったようだ。

資源高が産業界に与えるインパクトとして、原油とともに大きいのが鉄鉱石と石炭である。

「海外への支払いを考えれば、日本経済全体にとって交易条件の悪化となるので、国全体としても負担増。原油高であれば家計にも転嫁されるが、鋼材高は企業の収益を食い潰す。しかも、自動車などはモデルチェンジの際に価格転嫁をしてきたが、今は難しい」と山本康雄・みずほ総合研究所シニアエコノミストは指摘する。

自動車は新興国だけでなく、日本国内でも低価格志向が進んでいるためだ。

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