八村塁が「日本選手団旗手」を務める大きな意味 複数の人種ルーツを持つ人たちはどう見る?
7月23日、2020年東京オリンピックが開幕、今宵開会式が行われる。今回のオリンピックで日本代表の旗手にバスケットボール日本代表の八村塁が選ばれたことは、日本でのハーフ、あるいは非日本人に対する考え方が変わったことの表れなのか、今後日本がすべてのハーフや非伝統的な日本人をつねに平等に捉え、扱い始める兆しなのかは、答えを出しづらい、極めて複雑な問題だろう。
しかし、現状では答えを出すのはほぼ不可能だ。今回のオリンピックに関しては考慮しなければならない、頭を悩ます要因があまりにも多すぎる。
そもそも、東京オリンピックに関しては78%の日本人(同様に大多数の在日外国人も)が、新型コロナ株の変異株拡大などを理由に開催を見送るべきだと考えている。それどころか、日本はいま欧米諸国に比べてワクチン接種が遅れていることに伴って、東京では4回目の緊急事態宣言下にある。足元では日本の感染者数が増え続けているほか、オリンピック関係者や選手村でも新型コロナの陽性者も出ている。
日本史上初めての黒人男性旗手
オリンピックを中止、または延期する”正当”な理由のリストが延々と続く中、オリンピック旗手の1人が日本史上で初めての黒人男性である事実に誰が注目できるだろうか?
そもそも関心のある人はいるのだろうか? 答えはイエス!
実際に、非常に大きな影響を与えるかもしれない、一大転機のイベントだけに、関心を寄せる人は多い。もちろん、いわゆる日本のハーフコミュニティ、その家族と友人、支援者たちだ。
ダリル・ワートン・リグビーもその1人だ。ダリルは埼玉県を拠点とするアフリカ系アメリカ人の映像作家で、八村塁を「ヒーロー」とあがめるハーフの少年たちの父親だ。末息子は八村を見るためだけに、バスケットボールを見るという。
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