トヨタ「ライズ」が負けた?そのカラクリを探る

トヨタ唯一の5ナンバーSUVという本質的な価値

同じコンパクトSUVに属するトヨタの「ライズ」と「ヤリスクロス」(写真:トヨタ)

トヨタの5ナンバーSUV(スポーツ多目的車)である「ライズ」の販売が、6月には6725台で8位となった。昨年の6月には、1万2823台を売って1位であり、同年は1~2月も1位で、そのほか5、7、8、10、11、12月には2位となって、年間を通じて「ヤリス」とともにトヨタ車販売を牽引してきたので、今年に入っての4~8位が目立つのだろう。

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トヨタには今、SUVの車種が豊富で、ライズのひとつ上には「ヤリスクロス」があり、「C-HR」「RAV4」、クロスオーバー的な「ハリアー」もあり、選択肢の幅が広い。しかし、それらはすべて3ナンバー車であり、5ナンバーSUVとしてライズの価値は大きく、車庫の広さや経済性などの理由から、5ナンバー車であることが前提となる消費者に大きな支持を受け、発売以来の絶好調が続いたといえる。

今、順位を落とし気味とはいえ、10位圏内から外れないところにライズの底堅さもある。

ライズとロッキーを合わせれば十分な販売台数

共同開発によってトヨタからはライズ、ダイハツからはロッキーとして販売(写真:トヨタ/ダイハツ)

自動車メーカーは、新車発売直後に宣伝や販売店での販売促進活動などを積極的に行い、それらが販売台数の好成績につながるはずだが、視点を消費者の立場に替えれば、買い替えでは新車が登場したらすぐ行動に出るとは限らず、既存のクルマの車検が近づいたとか、何か不具合が出て余計な出費が生じそうだという機会に次を考えることが多いだろう。となれば、5ナンバーSUVのライズに目を向ける可能性を持つ消費者はまだ存在し、それが現在の底堅い販売台数の維持につながっているとみることができる。

また、トヨタとダイハツの共同開発によるライズと「ロッキー」という目で見れば、6月のロッキーは1705台売れており、これとライズを合算すると8430台となって、6月の順位で5位の位置づけになる。トヨタの成績ということにはならないが、消費者が5ナンバーSUVの有力車種であるライズ/ロッキーに対する期待は、まだ大きいといえるのではないか。

それにしてもヤリスの人気は衰えを知らない。昨年4月に月販台数の1位となって以来、昨年6月にはライズに首位を奪われはしたが、それ以外は今日に至るまで1位を堅持し続けている。

ただし、一般社団法人日本自動車販売協会連合会のブランド通称名別順位による月販台数の統計におけるヤリスは、ハッチバック車のヤリスのほかに、SUVのヤリスクロスと、スポーティ車のGRヤリスの数字が含まれている。いずれもブランド通称名としてヤリスの名が使われているからだ。

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